たにんのかお【他人の顔】
安部公房の長編小説。昭和39年(1964)刊。事故で顔に大やけどを負った男が、自己回復のためプラスチックでできた他人の顔の仮面をつけて妻を誘惑しようとする。昭和41年(1966)、安部自身の脚色...
他人(たにん)の疝気(せんき)を頭痛(ずつう)に病(や)む
自分に関係のない物事で心配をすることのたとえ。
他人(たにん)の空似(そらに)
血筋のつながっていない者が偶然によく似ていること。
たにんのち【他人の血】
《原題、(フランス)Le Sang des autres》ボーボワールの小説。1945年刊。対独レジスタンスを主題とする。1984年、クロード=シャブロル監督により映画化。
他人(たにん)の飯(めし)を食(く)・う
親元を離れ、他人の家に奉公するなどして、実社会の経験を積む。
他人(たにん)の別(わか)れ棒(ぼう)の端(はし)
夫婦が離別すると全く他人となってしまい、互いに棒切れのようにしか顧みないこと。
他人(たにん)は食(く)い寄(よ)り
不幸のあったとき、他人は悲しみを分かつというより饗応にありつくために集まってくる。→親(しん)は泣き寄り他人は食い寄り
たにん‐むき【他人向き】
他人どうしのように情愛のないようすや態度。「主人が見る目はばかりて、—なる折からに」〈浄・生玉心中〉
たにん‐やど【他人宿】
奉公人の勤め口の世話をし、また、仮親となって身元保証をしてやる家。人宿(ひとやど)。「—に雑用(ざふよう)を払って」〈滑・浮世風呂・三〉
ひと‐ごと【人事/他人事】
自分には関係のないこと。他人に関すること。よそごと。「境遇が似ていて、とても—とは思えない」 [補説]本来「他人事」と書いて「たにんごと」とは読まなかった。