ち‐え【千重】
たくさん重なること。「ま幸(さき)くて妹が斎(いは)はば沖つ波—に立つとも障(さは)りあらめやも」〈万・三五八三〉
ちえ‐なみ【千重波/千重浪】
いく重にも重なり合って押し寄せる波。「朝なぎに—寄せ夕なぎに五百重(いほへ)波寄す」〈万・九三一〉
ちえなみしき‐に【千重波頻に】
[副]波がいく重にも重なり合うようにしきりに。「ひと日には—思へども」〈万・四〇九〉
ちが‐の‐うら【千賀浦】
宮城県松島湾南西部の浜辺。塩釜(しおがま)の浦。千賀の塩釜。[歌枕]「みちのくの—にて見ましかばいかにつつじのをかしからまし」〈道綱母集〉
ちきり【榺/千切り】
1 織機で、縦糸を巻くのに用いる、木製で中央のくびれた棒状の部品。おまき。輪鼓(りゅうご)。〈和名抄〉 2 紋所の名。1を図案化したもの。 3 「榺締め」の略。
ちきり‐じめ【榺締め】
木や石材をつなぐために埋め込む木片または金属。両端が広く、中央が狭くくびれている。ちきり。
ち‐ぎ【千木】
1 社殿などで、破風の先端が棟上にのびて交差した木。先端が縦削ぎ・横削ぎのもの2種があり、横削ぎのものは氷木(ひぎ)ともいう。棟上に別に取りつけた置き千木もある。 2 草葺(くさぶ)き民家の大棟...
ちぎ‐ばこ【千木箱】
《もと神社の千木の余材で作ったところから》東京の芝大神宮の9月の祭礼の際、生姜市(しょうがいち)で売る小判形の檜(ひのき)の曲物(まげもの)の絵箱。外面に丹・緑青・胡粉などで藤の花を描き、中に飴...
ちぎり‐え【千切り絵】
手でちぎった色紙を台紙に貼ってつくる絵。また、そのような技法。→貼り絵
ちぎり‐き【乳切り木/千切り木】
両端を太く、中央をやや細く削った棒。物を担うほか、護身用にも用いた。棒ちぎり。ちぎり。 [補説]狂言の曲名別項。→千切木