うら【心】
《「裏」と同語源で、表に見えないものの意から》 1 こころ。思い。内心。→心(うら)もなし 2 形容詞・動詞に付いて、心の中で、心の底からの意を表し、さらにその意が弱まって、何ということなく、何...
うら‐がなし・い【心悲しい】
[形][文]うらがな・し[シク] 1 なんとなく悲しい。もの悲しい。「—・い晩秋の景色」 2 心の中で、いとしく感じられる。「むらさきは根もかも終ふる人の児の—・しけを寝を終へなくに」〈万・三五...
うら‐ぐわ・し【心細し】
[形シク]心に染みて趣が感じられるさま。えもいえず美しい。→細(くわ)し「隠国(こもりく)の泊瀬(はつぜ)の山はあやに—・しあやに—・し」〈雄略紀・歌謡〉
うら‐こ・う【心恋ふ】
[動ハ上二]心の中で恋い慕う。「わが背子に—・ひ居れば天の川夜舟漕ぐなる梶の音聞こゆ」〈万・二〇一五〉
うら‐ごい・し【心恋し】
[形シク]心の中で恋しく思う。「—・しわが背の君はなでしこが花にもがもな朝な朝(さ)な見む」〈万・四〇一〇〉
うら‐さびし・い【心寂しい/心淋しい】
[形][文]うらさび・し[シク]なんとなく寂しい。もの寂しい。こころ寂しい。「—・い冬木立」 [派生]うらさびしげ[形動]うらさびしさ[名]
うらさびしがわ【心淋し川】
西条奈加の連作短編小説集。江戸時代の、小さな川沿いの長屋に暮らす人々を描く全6作を収める。第164回直木賞受賞。
うら‐さ・ぶ【心荒ぶ】
[動バ上二]心がすさむ。心が楽しまない。「—・ぶる心さまねしひさかたの天(あめ)のしぐれの流れあふ見れば」〈万・八二〉
うら‐ど・う【心問ふ/裏問ふ】
[動ハ四]相手の心の中をそれとなく探る。「よそながらこそ—・ひけれ」〈浄・烏帽子折〉
うら‐な・し【心無し/裏無し】
[形ク] 1 心の内を包み隠さない。隔て心がない。「世のはかなき事も、—・く言ひ慰まむこそうれしかるべきに」〈徒然・一二〉 2 物事を深く考えない。うっかり安心している。「かかりけることもありけ...