みず‐たまうき【瑞玉杯/瑞玉盞】
《「みず」も「たま」も美称》美しいりっぱなさかずき。「三重の子が捧(ささ)がせる—に」〈記・下・歌謡〉
みつ‐みつし
[枕]氏族名の「久米(くめ)」にかかる。「—久米の子らが」〈記・中・歌謡〉 [補説]「御稜威(みいつ)」を重ねて形容詞化した語で、威勢がよい、勇猛であるの意から武をつかさどる家の久米氏をほめたた...
みなした‐ふ【水下経】
[枕]水の下を泳ぐ意から「魚(うを)」にかかる。「磐余(いはれ)の池の—魚も上に出て嘆く」〈継体紀・歌謡〉
みなそこ‐ふ【水底経】
[枕]語義・かかり方未詳。「臣(おみ)」にかかる。「—臣の嬢子(をとめ)を」〈仁徳紀・歌謡〉
み‐な‐そそく【水注く】
[枕] 1 水がほとばしる「大水(おほみ)」、あるいは水が注ぎ入る「大海(おほみ)」の意から、同音の「臣(おみ)」にかかる。「—臣の嬢子(をとめ)」〈記・下・歌謡〉 2 水のほとばしる意から、勢...
みやま‐がく・る【深山隠る】
[動ラ四]山に隠れて見えなくなる。「明日よりは—・りて見えずかもあらむ」〈記・下・歌謡〉
みら【韮/韭】
ニラの古名。「みつみつし久米の子らが粟生(あはふ)にはか—一本(ひともと)」〈記・中・歌謡〉
みる【廻る/回る】
[動マ上一]曲がりめぐる。まわる。「うちみる島の崎々、かきみる磯の崎落ちず」〈記・上・歌謡〉
みん‐よう【民謡】
民衆の、労働・儀礼などの集団の場において自然に発生し、伝承されてきた歌謡。素朴な生活感情を反映し、地域性が強い。遊び歌・祝い歌・仕事歌・酒盛り歌・盆踊り歌などがある。広義には俗謡・新民謡なども含...
むか‐さ・く【向か離く】
[動カ下二]はるか遠く離れている。「—・くる壱岐(いき)の渡りを目頰子(めづらこ)来到(きた)る」〈継体紀・歌謡〉 [補説]用例の「むかさくる」を「壱岐」の枕詞とする説がある。