たら・す【誑す/蕩す】
[動サ五(四)] 1 ことば巧みにだます。たぶらかす。「女を—・すことがお上手ですのね」〈木下尚江・良人の自白〉 2 子供などをなだめすかす。「泣く子を—・し」〈浮・一代男・四〉
とう【蕩】
[音]トウ(タウ)(漢) [訓]とろける とろかす 1 揺れ動く。ゆらゆら動かす。「蕩揺/漂蕩」 2 酒色などにおぼれる。締まりがない。「蕩児/淫蕩(いんとう)・放蕩・遊蕩」 3 豊かに広がって...
とう‐さん【蕩散】
[名](スル)誘惑や快感などで人の気を散らし、心をとろけさせること。「稗官(はいかん)小説は、人の戯笑に供しその心志を—するものにして」〈中村訳・西国立志編〉
とう‐さん【蕩産】
[名](スル)財産を使い果たすこと。破産。
とう‐し【蕩子】
「蕩児(とうじ)」に同じ。「ドン・ホアンを欺く—なる如くにして」〈鴎外訳・即興詩人〉
とう‐しん【蕩心】
自堕落な心。また、遊蕩心。
とう‐じ【蕩児】
正業を忘れて、酒色にふける者。放蕩むすこ。遊蕩児。蕩子(とうし)。
とう‐じん【蕩尽】
[名](スル)財産などを使い果たすこと。「家財を—する」
とう‐ぜん【蕩然】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 ひろびろとしているさま。「立春の夕、地も天も—として融けんとす」〈蘆花・自然と人生〉 2 流されたようにあとかたもないさま。「先に与えたる千金の財本は—跡なく...
とう‐とう【蕩蕩】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 はてしなく広いさま。「瓢々—として窮まるところを知らず」〈独歩・悪魔〉 2 心のやすらかでゆったりしているさま。「王者の民—たりと云う句の価値を始めて発見する...