あて【貴】
[形動ナリ] 1 身分が高いさま。「世界の男、—なるも卑しきも」〈竹取〉 2 上品で美しいさま。「頭つき様体細やかに—なる程は」〈源・宿木〉
あて‐はか【貴はか】
[形動ナリ]「あてやか」に同じ。「心うつくしく—なることを好みて」〈伊勢・一六〉
あて‐びと【貴人】
高貴な人。上品な人。貴族。「かかる筋(=男女関係)のもの憎みは—も(下人モ変ワリノ)なきものなり」〈源・東屋〉
あて・ぶ【貴ぶ】
[動バ上二]品があるように振る舞う。貴人らしくする。「若き君達とて、すきずきしく—・びてもおはしまさず」〈源・東屋〉
あて‐みや【貴宮】
宇津保物語の登場人物。源正頼の九女で絶世の美人といわれる。東宮の強引な求婚でその妃となり、多くの求婚者たちを失望させる。
あて‐やか【貴やか】
[形動ナリ]優雅で美しいさま。気品のあるさま。あてはか。「—に心にくき人にはあらじ」〈源・紅葉賀〉
あ‐な‐た【貴方】
[代]《「彼方(あなた)」から》二人称の人代名詞。 1 対等または目下の者に対して、丁寧に、または親しみをこめていう。「—の考えを教えてください」 2 妻が夫に対して、軽い敬意や親しみをこめてい...
あなた‐がた【貴方方】
[代]「あなた」の複数形。「あなたたち」よりも、やや敬意が高い。「—はどちらからおいでになりましたか」
あなた‐たち【貴方達】
[代]「あなた」の複数形。「あなたがた」よりも、やや敬意が低い。「—も今日から中学生ですね」
あんた【貴方】
[代]《「あなた」の音変化》二人称の人代名詞。「あなた」よりもくだけた感じの語。「あたしも—がほんとに好き」〈木下順二・夕鶴〉