あがり‐なまず【上がり鯰】
《死んだ鯰がぬめりを失う意から》遊蕩に金銭を使い果たした者をいう遊里語。「やがて買ひ手を—にせんといへる響きあるぞゆゆしき」〈仮・浮世物語・一〉
あん・す
[動サ特活]《「あります」の音変化から》 1 「行く」「来る」の軽い丁寧語。行きます。来ます。「近い内に—・せとて背中をたたく」〈咄・あられ酒・五〉 2 (補助動詞) ㋐(「…であんす」の形で)...
えん・す
[動サ特活]《「あんす」の音変化》江戸時代の遊里語。…であります。「ながなが九郎兵衛殿を囲(かく)まうて下はって過分に—・す」〈浄・浪花鑑〉 [補説]「あります」が「ありんす」→「あんす」→「え...
お・す
[動サ特活]《近世、江戸の遊里語》 1 「ある」「居る」の丁寧語。あります。ございます。おります。「まだ妹も—・すから」〈洒・甲子夜話〉 2 (補助動詞)形容詞のウ音便形、形容動詞・指定の助動詞...
おろせ【下ろせ】
《上方の遊里語》 1 駕籠(かご)かき。「姿の入れ物、—が急げば」〈浮・一代男・六〉 2 「下ろせ駕籠」の略。
おん‐の‐じ【御の字】
《江戸初期の遊里語から出た語。「御」の字を付けて呼ぶべきほどのもの、の意から》 1 非常に結構なこと。望んだことがかなって十分満足できること。「出費がこの程度で済めば—だ」 2 最上のもの。「—...
かみ・する【上する】
[動サ変][文]かみ・す[サ変]《近世遊里語》揚屋などの座敷で、客の世話をする。「—・する男、お床は二階へと呼び立つれば」〈浮・一代女・二〉
くるわ‐ことば【郭詞/郭言葉】
江戸時代、遊里で遊女たちが用いていた言葉。「ありんす」「ざんす」など。里言葉。遊里語。
ござりん・す【御座りんす】
[動サ特活]《「ござります」の音変化》 1 「ある」「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。「成程奥の間に、今よう休んで—・す」〈浄・金短冊〉 2 「行く」「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。「曽根...
ざま・す
[動サ特活]「ある」の意の丁寧語。多く補助動詞として用いる。→ざあます「何でもよう—・す」〈人・春告鳥・初〉 [補説]活用は助動詞「ざます」に同じ。江戸後期、主として、江戸吉原で用いられた遊里語...