くしび【霊び/奇び】
[名・形動ナリ]《動詞「くしぶ」の連用形から》不思議なこと。霊妙なこと。また、そのさま。「未だかく—に異(あや)しき児有らず」〈神代紀・上〉
くし・ぶ【霊ぶ/奇ぶ】
[動バ上二]霊妙に見える。不思議な状態になる。「—・びますことを恠(あやし)み給ひき」〈風土記逸文・丹後〉
す‐だま【魑魅/霊】
1 山林・木石の精気から生じるという霊。人面鬼身で、よく人を迷わすという。ちみ。〈和名抄〉 2 人の霊魂。たましい。〈和名抄〉
たま【霊/魂/魄】
「たましい1」に同じ。「肝っ—」「人—」「空蝉のからは木ごとにとどむれど—のゆくへを見ぬぞかなしき」〈古今・物名〉
霊(たま)合(あ)・う
互いに思う心が一つに結ばれる。「—・へば相寝るものを」〈万・三〇〇〇〉
たま‐おくり【霊送り/魂送り】
「精霊(しょうりょう)送り」に同じ。《季 秋》「—身にそふくさの夕かな/暁台」⇔霊迎(たまむか)え。
たまおくり‐び【霊送り火】
「送り火」に同じ。
たま‐しろ【霊代】
神または人の霊魂の代わりとして祭るもの。みたましろ。
たま‐じわ・う【霊幸ふ】
[動ハ四]霊力をふるって加護する。「—神も我(われ)をば打棄(うつ)てこそ」〈万・二六六一〉 [補説]一説に「神」にかかる枕詞とする。
たま‐どの【霊殿/魂殿】
1 死者の霊を祭った所。たまや。 2 葬送の前にしばらく遺体を納めておく殿舎。たまや。「昔物語に、—に置きたりけむ人のたとひを、思ひ出でて」〈源・夢浮橋〉