おんびん‐けい【音便形】
音便の結果生じた語形。特に、用言の一活用形が特定の語に続くときに音便の形をとる場合、その語形をもとの活用形に対していう。「咲く」の連用形「咲き」が「て」「た」に続くときにとる「咲い」の類。
きつう
[副]《形容詞「きつし」の連用形「きつく」のウ音便から》 1 たいへん。ひどく。「番頭どの—精が出ます」〈松翁道話・二〉 2 (あとに打消しの語を伴って)どうしても。絶対に。「間に合はせねば—か...
く・う【悔ふ】
[動ハ上二]《「くゆ」の音変化》「悔いる」に同じ。「此れを—・ふる心なくして」〈今昔・一四・二七〉 [補説]近世には「先非を悔うた所に」〈虎明狂・膏薬煉〉のようにハ行四段活用(連用形ウ音便)とみ...
けしゅう【怪しう/異しう】
[副]《形容詞「け(怪)し」の連用形「けしく」のウ音便形から》 1 程度のはなはだしいさま。非常に。「—つつましきことなれど」〈かげろふ・下〉 2 (あとに打消しの語を伴って用いる)たいして。そ...
郷(ごう)に入(い)っては郷(ごう)に従(したが)え
その土地に住むにはそこの風俗・習慣に従うのが処世の術である。 [補説]「郷に入(い)りては」の音便化であるから、「はいっては」とは読まない。また、「郷に行っては郷に従え」とは書かない。
御機嫌(ごきげん)よう
《「よう」は形容詞「よい」の連用形「よく」のウ音便》人と別れるときなどに、相手の健康を祈る気持ちをこめていうあいさつの言葉。
ごだん‐かつよう【五段活用】
口語動詞の活用形式の一。語形が五十音図のア・イ・ウ・エ・オの五段の音で語形変化するもの(さらに、連用形には音便形を含む)。本来、四段活用と同じであるが、現代仮名遣いでは、その未然形に「う」の付い...
じま・う
[連語]《接続助詞「て」が撥音便形またはガ行イ音便形に付いて「で」になったものに、補助動詞「しま(仕舞)う」が付いたものの音変化》…(し)てしまう。「死ん—・う」「残りの酒をつい—・う」
じゃ・う
[連語]《接続助詞「て」が撥音便に付いて「で」になったものに、補助動詞「しま(仕舞)う」が付いたものの音変化》…(て)しまう。くだけた会話に使われる。「君に全部頼ん—・う」「もう飲ん—・った」→じまう
じゃと‐いうて
[接]《助動詞「じゃ」+助詞「と」+動詞「いう」のウ音便形+助詞「て」から》ある事柄を認めたうえで、それが通らないことを述べるときに用いる。だからといって。ではあるが。「苦々しいことぢゃ。—行か...