こちた・し【言痛し/事痛し】
[形ク] 《「こといたし」の音変化》 1 人の口がうるさい。煩わしい。「人言(ひとごと)はまこと—・くなりぬともそこに障らむ我にあらなくに」〈万・二八八六〉 2 ことごとしい。おおげさだ。「殿上...
こと【事】
《「言(こと)」と同語源》 「もの」が一般に具象性をもつのに対して、思考・意識の対象となるものや、現象・行為・性質など抽象的なものをさす語。 1 世の中に起こる、自然または人事の現象。事柄。出...
事(こと)合(あ)・う
うまく事が運ぶ。「もてかしづき聞こえ給ふさま、愚かならず、—・ひたる心地して」〈源・葵〉
こと‐あたらし・い【事新しい】
[形][文]ことあたら・し[シク] 1 今までのものと違って新しい。「—・い出品はない」 2 ことさらに取り上げるさま。わざとらしい。「—・く説明するまでもない」
こと‐あやまり【事誤り】
事の行き違い。事のまちがい。過失。「花の香をえならぬ袖に移しもて—と妹(いも)やとがめむ」〈源・梅枝〉
ことあり‐がお【事有り顔】
[名・形動]何かわけのありそうな顔つき。また、そのさま。「—なひそひそ話」「—で集まっている」
ことあり‐げ【事有り気】
[形動][文][ナリ]いかにも特別な事情がありそうなさま。「—にメモを渡す」
こと‐あれかし【事有れかし】
[連語]《「かし」は強めの終助詞》何か事件などが起こればいいと待ち望むようす。事が起こってくれよ。「—と待ち構える」
こと‐いみ【事忌み】
不吉なことを忌み慎むこと。「世の人のする—などもせぬ所なればや、かうはあらむ」〈かげろふ・中〉
こと‐うるわ・し【事美はし】
[形シク]物事のようすがきちんとしていて、端正である。「狩衣(かりぎぬ)に青袴きたるが、いと—・しく」〈宇治拾遺・一四〉