がい【咳】
[音]ガイ(呉) [訓]せき せく しわぶき 〈ガイ〉せき。せきをする。「咳嗽(がいそう)/謦咳(けいがい)・鎮咳・労咳」 〈せき(ぜき)〉「空咳(からぜき)・百日咳」
がい‐いちがい【咳一咳】
[名](スル)1回せきばらいをすること。「俊三は…—して徐(おもむろ)に椅子を離れた」〈木下尚江・良人の自白〉
がい‐き【咳気】
せきが出ること。また、せきの多く出る病気をいう。がいけ。「此のわたりの人、古くは、風引きたることを—といへりき」〈玉勝間・一二〉
がい‐け【咳気】
「がいき(咳気)」に同じ。〈日葡〉
がい‐そう【咳嗽】
[名](スル)せき。しわぶき。「一歩一歩に喘(あえ)ぎ、—す」〈蘆花・自然と人生〉
がい‐だ【咳唾】
1 せきとつば。また、せきばらい。 2 目上の人のお言葉。謦咳(けいがい)。
咳唾(がいだ)珠(たま)を成(な)す
《趙壱「刺世疾邪賦」から》かりそめに出た言葉も、珠玉のように美しいものである。詩文の才が非常にすぐれていることのたとえ。
しわぶか◦う【咳かふ】
[連語]《動詞「しわぶく」の未然形+反復継続の助動詞「ふ」。上代語》しきりにせきをする。「糟湯酒(かすゆざけ)うちすすろひて—◦ひ鼻びしびしに」〈万・八九二〉
しわ‐ぶき【咳き】
[名](スル) 1 せきをすること。また、せき。「病室から軽い—が漏れる」 2 わざとせきをすること。せきばらい。「メエルハイムは—して語りいでぬ」〈鴎外・文づかひ〉
しわぶき‐やみ【咳き病み】
せきの出る病気。「この暁より、—にやはべらむ、頭いと痛くて」〈源・夕顔〉