1 カッコウ科の鳥。全長28センチくらい。全体に灰色で、胸から腹に横斑がある。アジア東部で繁殖し、冬は東南アジアに渡る。日本には初夏に渡来。キョキョキョと鋭く鳴き、「てっぺんかけたか」「ほぞんかけたか」「特許許可局」などと聞きなし、夜に鳴くこともある。自分の巣をもたず、ウグイス・ミソサザイなどの巣に托卵する。古くから春のウグイス、秋の雁 (かり) とともに和歌に詠まれ、また冥土に往来する鳥ともいわれた。別名が多く、文目鳥 (あやめどり) ・妹背鳥 (いもせどり) ・黄昏鳥 (たそがれどり) ・偶鳥 (たまさかどり) ・卯月鳥 (うづきどり) ・早苗鳥・勧農鳥 (かんのうちょう) ・魂迎鳥 (たまむかえどり) ・死出田長 (しでのたおさ) などがある。杜宇 (とう) 。蜀魂 (しょっこん) 。しき。とけん。《季 夏》「—大竹藪をもる月夜/芭蕉」
2 (「杜鵑草」「油点草」などと書く)ユリ科の多年草。本州以南の山野に自生。高さ約60センチ。茎はやや斜めに伸び、葉は長楕円形で先がとがり、基部は茎を抱く。9月ごろ、6弁花を上向きに開く。花びらは白地に紫の斑が散り、1の胸模様を思わせる。《季 秋》
「—飛幡 (とばた) の浦に」〈万・三一六五〉
出典:青空文庫
・・・にしたなり、とうとう子規が啼くようになるまで、秋山を尋ねずにしま・・・ 芥川竜之介「秋山図」
・・・度、小雨のふる日に、時鳥の啼く声を聞いて、「あれは鶯の巣をぬすむ・・・ 芥川竜之介「忠義」
・・・「不如帰」「藤村詩集」「松井須磨子の一生」「新朝顔日記」「カルメン・・・ 芥川竜之介「葱」