出典:gooニュース
蟄居歓迎 千早茜
極力、外に出たくない。できることなら家にずっといたい。小さい頃からそうだったし、学生の時は毎日学校に行くことが苦痛でならなかったので、まともな社会人にはなれないだろうと諦めていた。学校のなにが嫌というわけでもないが、家にいられないのがつらいのだ。なので、家にいても仕事ができる小説家になれたらいいな、と思っていた。 運良く小説家を生業(なりわい)にできて十五年以上が経った。しかし
迫りくる衰え 千早茜
不惑も半ばにさしかかり、同年代の人に会うと身体の話題になることが増えたように思う。同業の方は肩凝りやぎっくり腰の苦しみを語り、美容に関心がある人はシミや皺(しわ)といった加齢ケアの情報交換をしたがり、食いしん坊仲間の中にはコレステロールの薬を飲みはじめた人もあらわれた。内側なり外側なり、程度の差こそあれ、大きく分類すると身体の衰えについてばかり話している。自分も徹夜ができなくなったとか、酒量
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