たなか‐しょうすけ【田中勝介】
江戸初期の貿易商。京都の人。慶長15年(1610)日本へ漂着した前ルソン総督ドン=ロドリゴのメキシコへの出発に同行、翌年帰国。太平洋を横断した最初の日本人。生没年未詳。名は「勝助」とも。
デュルケーム【Émile Durkheim】
[1858〜1917]フランスの社会学者。コントの実証主義から出発し、社会的事実を客観的に考察する科学としての社会学の方法論を確立。著「社会学的方法の規準」「自殺論」「宗教生活の原初形態」など。
ドストエフスキー【Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy】
[1821〜1881]ロシアの小説家。処女作「貧しき人々」で作家として出発。混迷する社会の諸相を背景として、内面的、心理的矛盾と相克の世界を描き、人間存在の根本的問題を追求。20世紀の文学に多大...
ドラン【André Derain】
[1880〜1954]フランスの画家。フォービスムから出発し、キュビスムに参加。のち、古典主義的傾向の作風となった。作「森」「ブロンドの女」など。
ノーノ【Luigi Nono】
[1924〜1990]イタリアの作曲家。十二音音楽から出発し、さまざまな前衛技法を採用する実験的傾向を強めていった。また「ゲルニカの勝利」「生命と愛の歌—広島の橋の上で」「アウシュビッツの事件」...
ハウプトマン【Gerhart Hauptmann】
[1862〜1946]ドイツの劇作家・小説家。自然主義作家として出発し、ドイツ近代劇の確立に貢献。のち、ロマン主義的、象徴主義的立場に移行。1912年ノーベル文学賞受賞。戯曲「日の出前」「織工」...
はせくら‐つねなが【支倉常長】
[1571〜1622]江戸初期の仙台藩士。幼名、与市。通称、六右衛門。伊達政宗の命を受け、慶長18年(1613)日本を出発して渡欧、ローマで教皇パウロ5世に謁見して通商交渉に当たったが、成功せず...
はやし‐ふさお【林房雄】
[1903〜1975]小説家。大分の生まれ。本名、後藤寿夫。プロレタリア作家として出発。のち転向し、戦後の民主主義否定の論陣の一翼を担った。小説「青年」「西郷隆盛」、評論「大東亜戦争肯定論」など。
バリェ‐インクラン【Ramón María del Valle-Inclán】
[1866〜1936]スペインの小説家・詩人・劇作家。九八年代作家の一人。モデルニスモの詩人として出発し、のちに民衆的・叙事詩的文学を目指した。戯曲「野蛮喜劇」、四部作の長編散文詩「ソナタ」など。
バレス【Auguste Maurice Barrès】
[1862〜1923]フランスの小説家・政治家。個人主義から出発し、熱烈な国家主義に転じた。作「自我礼拝」「国民的精力の物語」の各三部作など。