ばいい/がいい の解説 - 小学館 類語例解辞典

ばいい/がいい の共通する意味

適当・願望・提案・勧誘を表わす。

ばいい/がいい の使い方

ばいい
▽素直にごめんなさいと言えばいいのに、すぐ口答えをしてしまう ▽当分使いませんから、ついでの時にでも返してくださればいいんですよ ▽はいはい、ここを出ていけばいいんでしょ
がいい
▽どうとでも好きなようにするがいいさ ▽さっさと出ていくがいい!

ばいい/がいい の使い分け

「ばいい」「がいい」は、くだけた言い方で、本来は「ばよい」「がよい」を使う。
「ばいい」は、何らかの状況になることが適当だ、望ましいという気持ちから、相手に何かを提案したり、自分自身の願望を強く表現したりと、広い範囲に使える。ところが、「がいい」は自分自身のことには使えず、相手に対しても提案というより、どうとでも勝手にしろといった放任・非難・軽蔑(けいべつ)などの気持ちをぶつけることになり、使用範囲が限られてくる。表例(1)は、「ばいい」を使うと普通の提案だが(場面やイントネーションなどによっては放任にも受け取れる)、「がいい」を使うと放任・非難としか聞こえない。
「ばよかった」と過去形になると、過去の時点でそうするのが望ましかったのに、実際にはそうしなかったことを後悔(自分自身の場合)したり非難(相手の場合)したりする気持ちを表わすことが多い。「あーあ、こんなめんどうな仕事、引き受けなければよかった!」
会話体では、「やればいい」→「やりゃいい」、「書けばいい」→「書きゃいい」、「貸せばいい」→「貸しゃいい」、「打てばいい」→「打ちゃいい」、「死ねばいい」→「死にゃいい」、「飛べばいい」→「飛びゃいい」などに変化することがあるが、いずれも放任や非難のニュアンスが生じやすい。

ばいい/がいい の関連語

といい・たらいい
「ばいい」と同じ意味を表わす。「早く試験が終わるといいなあ」「どのように話を切り出したらいいものかと考えこんでしまった」
ほうがいい
「ばいい」の婉曲(えんきょく)的な表現。「お盆のころはどこでも込みますから、旅行はさけたほうがいいでしょうね」
たらどう・てはどう
相手への提案を示す。「たまにはお見舞いに行ってあげたらどうかしら」「この薬、一度試してみてはどうかね」◇「どう」は、丁寧な表現では「…いかが」となる。「少しだけでも召し上がってみてはいかが?」
(よ)うではないか
不特定多数の人々に対して同意を求めたり勧誘したりする文章語的な表現。「(よ)うじゃないか」の形で一般の会話にも使う。「不正がまかり通るゆがんだ世の中を、国民の力で改革していこうではないか」「ちょっとそのへんまで行ってみようじゃないか」

ばいい/がいい の類語対比表

①それなら今すぐ行け(行く)…差別がなくなれ(なくなる)…と思う妹が生まれれ(生まれる)…なあふん、地獄に落ちれ(落ちる)…
ばいい
がいい(行く)○(なくなる)-(生まれる)-(落ちる)○

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