よりほか(は)ない/ざるを得ない の解説 - 小学館 類語例解辞典

よりほか(は)ない/ざるを得ない の共通する意味

当然・必然を表わす。

よりほか(は)ない/ざるを得ない の使い方

よりほか(は)ない
▽何事も天命だと思うよりほかありません ▽ここまで病状が進んだのでは、手術をするよりほかないだろう
ざるを得ない
▽不正が明るみに出た以上、社長も辞任せざるを得ないだろう ▽どんな薬にでも何らかの副作用があると言わざるを得ない

よりほか(は)ない/ざるを得ない の使い分け

「よりほか(は)ない」は、事態の必然性から見て、可能な手段や方法があるものに限られることを表わす。多く、仕方なく、心ならずも、という気持ちも伴う。
「ざるを得ない」は、必然的にある結論に達したが、その結論が話し手にとって、いやいや、やむを得ず従うといった消極的な事柄であることを表わす。したくはないがどうしてもしないわけにはいかない、といった気持ちである。
これら二つの表現は、相互に入れ換えられる場合もあるが、仕方なくという気持ちがなく、手段・方法がそれだけに限られることを表わす「よりほか(は)ない」(「そこに行くのは歩くよりほかない」)、好むと好まざるとにかかわらずそう判断するしかないという気持ちで断定を下す「ざるを得ない」(「子供が待っているので帰らざるを得ない」)は、入れ換えがきかない。また、「父がうるさいので九時までには帰らざるを得ない」のように、手段・方法を問題にせず、ある事情のもとで…しないわけにはいかないことを表わす場合には「よりほか(は)ない」は使いにくいが、手段・方法を問題にするような例文に書き換えれば使えるようになる。「今日外出したことを父に知られないようにするためには、九時までに家に帰るよりほか(は)ない

よりほか(は)ない/ざるを得ない の関連語

しかない
「よりほか(は)ない」にほぼ同じ。「こうなったら運を天に任せるしかない」

カテゴリ

#助詞・助動詞