から/を の解説 - 小学館 類語例解辞典

から/を の共通する意味

移動の起点・経由点を表わす。

から/を の使い方

から
▽(1)大阪から新幹線で東京に来た ▽(2)泥棒が窓から侵入した ▽(3)娘が幼稚園から小学校に上がった
▽(1)明日の便で成田を発(た)つ ▽(2)正門を入って右手が講堂です ▽(3)彼は今年、大学を出た

から/を の使い分け

「から」と「を」には、移動の起点(「から」「を」の例文(1))と、移動の経由点(「から」「を」の例文(2))を表わす用法がある。
「から」は、移動の到着点が想定されている場合に用いられる。したがって、移動の到着点を表わす「に」とともに用いられることが多い(「から」の例文(1))。
「を」は、ある領域を起点とする離脱だけが問題にされ、到着点を特に想定していない場合に用いられる。したがって、「彼は成田アメリカに発った」とは言いにくい。
乗り物(バス、自動車、電車、船、馬など)からの離脱に関しては、たとえば「船から降りる」「船降りる」のように、「から」と「を」のいずれも用いられる。ただし、自分の意志による動作でない場合には「船落ちる」ではなく、「船から落ちる」を用いる。
「から」と「を」には、抽象的な移動の起点を表わす用法もある(「から」「を」の例文(3))。抽象的な移動でも、到着点が想定される場合には「から」が用いられる。また、「大学出る」に対して「大学から出る」という言い方もあるが、前者は卒業するの意であり、後者は構内から外に出るの意である。

から/を の関連語

より
「より」にも起点を表わす用法があるが、現在では主に文章語として用いられる。用法は「から」とほぼ重なる。「個展は明日より開催されます」「この文章は前掲書より引用した」「娘へ。父より」

から/を の類語対比表

部屋…出る横浜…来た二階…落ちる危機…脱する
から