という/といった/といって/として/にしても の解説 - 小学館 類語例解辞典

という/といった/といって/として/にしても の共通する意味

強調を表わす。

という/といった/といって/として/にしても の使い方

という
▽これという事態の進展もないまま、話し合いは中断された ▽今日という今日は絶対に許しません
といった
▽病状にはこれといった変化はありません ▽これといった長所もない男だが、悪い人間ではない
といって
▽そのほかにはこれといって準備するものはない ▽なぜといって特に理由はないのだが、どうしても気が進まない
として
▽だれ一人としてこの胸の内をわかってくれない ▽息子が行方不明になってこのかた、一時(いっとき)として心安まる日はない
にしても
▽部屋の飾りつけ一つにしても、その家の主人の心配りが感じられた ▽御飯のおかず一つにしても好みが合ったためしがない

という/といった/といって/として/にしても の使い分け

「という」「といった」「といって」は、「これという」「これといった」「これといって」の形で下に否定の語を伴い、特に取り立てて問題とすべきことのない様子を表わす。
「といって」には、疑問詞「どこ」「どれ」「なぜ」などを受けて下に否定の語を伴い、場所・事物・理由などが特定できないことを示す用法がある。「どこといって行きたいところもない」
「という」には、「XというX」の形で、上下に同じ名詞を用いて意味を強める用法がある。Xと呼ばれるものは全部、すべてのX、Xこそは、の意である。「人間という人間すべてに共通する機能」
「として」は、「(だれ)一人」「一つ」「一日」など、最低限を示す語について下に否定の語を伴い、全面否定を強調する。例外なく…ない、~といえども…ない、の意である。「だれ一人としてやって来なかった」「一日として忘れたことがない」
「にしても」は、「…一つ」などの語を受けて、ある状況のほんの一部を取り上げて評価を下しながら、それ以外の場合にもそれと同等以上の評価がなされる可能性のあることを言外にほのめかす。「をとっても」「に限っても」と言い換えることができる。

という/といった/といって/として/にしても の関連語

ことに(は)
前置き的、挿入句的に用い、ある感情や感動を強調する。「交通事故に巻きこまれたが、幸いなことに軽傷ですんだ」「困ったことには肝心のスポンサーがまだ見つからないのです」
ことは
「XことはX」の形で、一応Xであることは確かだが、しかし…、の意を表わす。「果物は好きなことは好きだが、毎日食べたいというほどではない」
のこと(で)
副詞を受けてその意を強調する。「お姉様はもちろんのこと、御両親もさぞやお喜びのことでしょう」
のあまり(に)
たいへん…ので、の意。「退屈のあまりについつい居眠りがでる」
のかぎり
その範囲内のすべてで、…の限界まで、ありったけの…で、の意。「力のかぎり引っ張る」「命のかぎり精一杯働く」

という/といった/といって/として/にしても の類語対比表

一年中これ…仕事もないどこ…特に行きたい所はない庭の花…花が一斉に開いた何一つ…高価な物はない言葉づかい一つ…性格が現れる
という
といった
といって
として
にしても