ば/と/たら/なら の解説 - 小学館 類語例解辞典

ば/と/たら/なら の共通する意味

順接を表わす。

ば/と/たら/なら の使い方

▽(1)もっと勉強すれば成績も上がるのに ▽(2)お盆を過ぎれば涼しくなる ▽(3)これだけ点を取れば、今日こそ勝てるだろう ▽(4)天気予報によれば、明日は晴れです ▽(5)金もなければ力もない
▽(1)ここで彼がヒットを打つと同点だ ▽(2)一〇を三で割ると一が余る ▽(3)こんなに雪が積もると家から出られない ▽(4)新聞によると地価がまた上がったそうだ ▽(5)トンネルを抜けるとそこは雪国だった
たら
▽(1)試験に受かったらステレオを買ってあげよう ▽(2)こんなに渋滞していたら、約束の時間に間に合わない ▽(3)家へ帰ったらだれもいなかった
なら
▽外国へ行くなら、その前にその国の言葉を学びなさい ▽食べたくないのなら残しなさい ▽それが事実(である)なら、恐ろしいことだ

ば/と/たら/なら の使い分け

いずれも順接を表わす接続助詞である。順接とは、前件を条件として、その条件から当然の結果として後件が成立することを表わす接続法をいう。条件は、そのあり方によって、仮定条件(前件が仮に成立した場合、その前件を条件として後件が成立することを表わす)、恒常条件(前件を条件として常に後件が成立することを表わす)、確定条件(すでに成立している前件を条件として後件が成立することを表わす)に分けられる。順接確定条件には「から」と「ので」も含まれる。接続法には、上のような条件接続とは別に、前件と後件が特別な因果関係になく、前件が単に後件への導入を表わしているに過ぎないものもある。これをここでは単純接続と呼ぶことにする。
「ば」は、仮定条件(例文(1))、恒常条件(例文(2))、確定条件(例文(3))、単純接続(例文(4))のほかに、並列(例文(5))も表わす。並列の「ば」は、「し」と置き換えが可能である(「金もない力もない」)。「ば」を用いるのは、前件と後件の結びつきがより必然的な関係にある場合(たとえば論理的関係や一般的事実など)を表わす場合が多い。
「と」は、仮定条件(例文(1))、恒常条件(例文(2))、確定条件(例文(3))、単純接続(例文(4))のほかに、前件が後件の直前の動作・状態を表わす用法(例文(5))がある。「と」は、後件が命令・許可・希望・意志などの表現である場合には用いることができない。なお、「たとえ雨が降ろう登山を決行する」のような逆接仮定条件を表わす「と」が別にある。
「たら」は、「…たらば」の縮まった形で、今までの文法では過去の助動詞「た」の仮定形とされていたが、用法などから現代では接続助詞化しているものとみる。「たら」には、仮定条件(例文(1))、確定条件(例文(2))、そして前件が後件の直前の動作・状態を表わす用法(例文(3)。ただしこれは事実の仮定的表現とみることもできる)がある。「ば」や「と」と違い、前件と後件のいずれもが過去の事柄であっても用いることができる。これは、「たら」が過去の助動詞「た」を本来含んでいることと関係する。「たら」は、前件と後件の結びつきが偶発的関係にあり、その場その場の個別的な出来事を表わすことが多い点が「ば」と異なっている。
「なら」についても、一般の文法では接続助詞ではなく、断定の助動詞「だ」の仮定形としているが、ここでは「たら」と同様接続助詞として扱う。「なら」には、仮定条件の用法しかない。しかも、条件そのものが断定的な判断を問題とするものであるため、後件は話し手の判断や推量、意志などを述べる表現に限られる。また、他の語では前件を仮定条件としてその結果を後件が表わしているのに対して、「なら」では後件が前件の結果ではなく、時間的に前件よりも先立つ行為を表わすことがある。
「なら」は、書き言葉では「ならば」の形で用いられることが多い。一方、「たら」は、書き言葉でも話し言葉でも「たら」が普通で、「たらば」の形はほとんど用いられない。

ば/と/たら/なら の類語対比表

春になる(なれ・なっ)…桜が咲くできる(できれ・でき)…行きたい走る(走れ・走っ)…疲れた帰る(帰れ・帰っ)…窓を閉めなさい
(なれ)○(できれ)○
たら(なっ)○(でき)○(走っ)○(帰っ)○
なら

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