うえ(で)/すえ(に)/ところ(が) の解説 - 小学館 類語例解辞典

うえ(で)/すえ(に)/ところ(が) の共通する意味

ある動作・行為に基づいて次の事態が起こることを表わす。

うえ(で)/すえ(に)/ところ(が) の使い方

うえ(で)
▽もう一度診断をしたうえで、手術の日時を決めることにしよう ▽予約の時間を確認のうえご来店ください
すえ(に)
▽何年間も研究を重ねたすえに、やっと成功した ▽悪戦苦闘のすえ、その難問を解いた
ところ(が)
▽(1)友人に会ったところ、急に借金の話を切り出された ▽(2)準備万端整ったところが、突然の雨で中止となった

うえ(で)/すえ(に)/ところ(が) の使い分け

「うえ(で)」は、「Xしたうえ(で)Yする」の形で、XしてからYする、Xした結果をふまえてYする、の意味を表わす。また、未来の意志的な行為(予定・決意など)を表わす場合にも使うことができる(表例(2))。
「すえ(に)」は、「Xしたすえ(に)Yした」の形で、Xしたあと最終的にYした、Xしたあとやっと(のことで)Yした、の意味を表わす。すでに起こった事実の前後関係をとらえるもので、未来のことには使えない。また、XYが無理なく続いて起こったのではなく、紆余曲折(うよきょくせつ)を経ながら心ならずもXしたあと、結果的にYするにいたった、の意味合いを含んでいる。そのため、表例(1)では、「うえ(で)」の場合とくらべて、話し合いがなかなかまとまらなかったことを暗に伝えている。時には、表例(3)のように、Xから意図した結果とは反対のYが起こったことも表わせる。
「ところ(が)」は、「Xしたところ(が)Yした」の形で、Xしてみたら、たまたまYになった、の意味を表わす。「うえ(で)」のような、XをふまえてY、といったつながりは薄く、また、「すえ(に)」のように、Xの紆余曲折を強調することもなく、むしろXはYのきっかけや前置きにすぎないことが多い。そのため、順接的(表例(4))にも逆接的(表例(3))にも、また、そのどちらでもなく、例文(1)のように中立的にも使うことができる。
「うえ(で)」「すえ(に)」の場合は、XYの主体が同じであることが多く、また、「Xのうえ(で)」「Xのすえ(に)」と名詞に続くことができるが、「ところ(が)」の場合、XYの主体は異なることも多く、「Xのところ(が)」ともならない。

うえ(で)/すえ(に)/ところ(が) の関連語

あげく(に)
「すえ(に)」と同じ意味。「しばらく迷ったあげく、断りの手紙を書いた」◇受身形を受けて、自分の本意ではない行為を無理やりやらせられた場合を表現することもできる。「さんざんあちこちの店をつれ回されたあげく、高い指輪をねだられた」
まま(で)
Xの状態がまだ続いている間にYが起こることを表わす。並立ともとれる。「子供を他人に預けたまま、姿を消してしまった」

うえ(で)/すえ(に)/ところ(が) の類語対比表

①話し合った…決めた②話し合った…決めたい③話し合った…物別れに終わった④見舞いに行った…とても喜んでくれた
うえ(で)
すえ(に)
ところ(が)