どうぞ/どうか/くれぐれも/ぜひ/願わくは の解説 - 小学館 類語例解辞典

どうぞ/どうか/くれぐれも/ぜひ/願わくは の共通する意味

相手に対して自分の希望を述べる語。

英語表現 please

国語辞書で調べる どうぞ どうか くれぐれも ぜひ 願わくは

どうぞ/どうか/くれぐれも/ぜひ/願わくは の使い方

どうぞ 【副】
▽どうぞよろしく ▽どうぞ誤解しないでください
どうか 【副】
▽どうかお願い致します ▽どうか悪く思わないでください ▽どうか無事に着きますように
くれぐれも 【副】
▽くれぐれもお気をつけて ▽くれぐれもお大事に ▽くれぐれも失礼がないように気をつけなさい
ぜひ 【副】
▽ぜひ教えてください ▽ぜひ買いたい
願わくは 【副】
▽願わくは、東京に居を構えたい ▽願わくは、貴社に勤めたいと思っておりました

どうぞ/どうか/くれぐれも/ぜひ/願わくは の使い分け

「どうぞ」は、聞き手に対して話者の希望を丁寧に依頼したり、聞き手の行為を認めたりするときに用いる。たとえば、二人の会話で「本をお借りしてもいいですか」「ええ、どうぞ」という場合の「どうぞ」は許可を与える言い方である。
「どうか」は、困難なことはわかっているが、そこをどうにか、の意である。したがって、困難な状況が全く想定されないとき、たとえば試食販売で「どうぞ召し上がってみてください」というときに、「どうぞ」の代わりに「どうか」を用いるのは不自然である。また、「どうか」は困難な状況を承知の上で懸命に頼む、懇願の意を持つことから、神仏に祈願するときにも、「どうか…ますように(お願いします)」の形で用いられることが多い。この場合に「どうぞ」を使うのは、やや古めかしい言い方。
「くれぐれも」の「くれぐれ」には何回も繰り返すの意があるので、「くれぐれも」は念を押す言い方となる。「呉呉も」とも書く。
「ぜひ」は、自分の強い希望を示す語で、「ぜひ…たい」「ぜひ…しよう」などの意志表現と結びつく。したがって、「ぜひ…てください」の形で用いるときも、相手の積極的な意志行為を期待するため、「心配しないでください」のように、積極的な意志行為ではない語と共に用いると不自然になる。「是非」とも書く。
「願わくは」は、祈りの言葉の中で、「願わくは御名の尊まれんことを」のように用いられ、願うことは、の意である。また、「願わくば」の形も混在することから、願いがかなうならば、の意も内在する。したがって、「願わくは武力衝突は避けたい」は「ぜひ」のように積極的な意味ではなく、むしろ、できることなら、の意味に近い。
「どうか」は、「どうかこうかやっていけそうだ」のように、一つの事柄がまがりなりにも成立するという気持ちを表わしたり、「忘れ物ばかりして今日はどうかしている」のように、ふつうでない様子を表わしたりもする。

どうぞ/どうか/くれぐれも/ぜひ/願わくは の関連語

なにとぞ 【副】
強い懇願の気持ちを表わす語。「どうぞ」「どうか」の改まった言い方。「なにとぞよろしく」「なにとぞ御理解のほどを」
なんとか 【副】
困難を承知の上で懇願する場合に用いる語。何とかして、どうにかしての意。「そこをなんとかお願いしたいのです」
ぜひとも 【副】
「ぜひ」を強めた言い方。「ぜひともお教え願いたい」「ぜひとも応援してください」
まげて 【副】
困難な障害に突き当たっているのを、相手に無理にでも「曲げて」もらって、話者の希望を受け入れてもらおうとするときに用いる語。「御立腹は重々承知いたしておりますが、まげてお許し頂きたい」
ひとつ 【副】
軽く人に依頼するときに用いる語。「娘の就職の件、ひとつよろしく頼むよ」◇思い立って何かを始めたり、試みたりする気持ちを表わす場合にも用いる。「君の頼みだ。ひとつやってみよう」

どうぞ/どうか/くれぐれも/ぜひ/願わくは の類語対比表

…お体を大切に…いらっしゃってください…武力衝突は避けたい…合格できますように
どうぞ
どうか
くれぐれも
ぜひ
願わくは

どうぞ/どうか/くれぐれも/ぜひ/願わくは の類語 - 日本語ワードネット

どうぞ の類語

絶対に、または確かに の意

ぜひ の類語

確かにそして紛れもなく の意

絶対に、または確かに の意

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