陰間 (かげま) 」に同じ。

「かれらも品こそかはれ、—と同じ」〈浮・一代男・二〉

春の天気のよい穏やかな日に、地面から炎のような揺らめきが立ちのぼる現象。強い日射地面が熱せられて不規則な上昇気流を生じ、密度の異なる空気が入りまじるため、通過する光が不規則に屈折して起こる。かぎろい。糸遊 (いとゆう) 。 春》丈六に—高し石の上/芭蕉

  1. 《飛ぶ姿が陽炎 (かげろう) の立ちのぼるさまに似ているところからの名》カゲロウ目の昆虫総称。体は繊細で、腹端に長い尾が2、3本ある。翅 (はね) は透明で、幅の広い三角形。夏、水辺の近くの空中を浮かぶようにして群れ飛ぶ。幼虫川中の礫 (れき) 上や砂中に1〜3年暮らす。成虫寿命が数時間から数日と短いため、はかないもののたとえにされる。糸遊 (いとゆう) 。

  1. (蜻蛉)トンボ古名 秋》

    1. 「—なんどのやうにやせおとろへたる者よろぼひ出できたり」〈平家・三〉

(蜻蛉)源氏物語第52巻の巻名。薫大将、27歳。浮舟失踪 (しっそう) と、その後の薫を描く。
[動ワ五(ハ四)]《名詞「かげろう(陽炎)」の動詞化》
  1. 姿などがちらちらする。ちらっと見える。

    1. 敵意の外に、まだ認めなければならない或物が其所に—・った」〈漱石明暗

  1. 光がほのめく。ひらめく。 春》「ギヤマンの如く豪華に—・へる/茅舎

    1. 「松のたえまより、わづかに月の—・ひて見えけるを見て」〈山家集・下・詞書

  1. 日がかげる。陰になる。

    1. 秋寒き夕日は峰に—・ひて岡の尾花に風すさぶなり」〈風雅・秋上〉

出典:青空文庫

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