おぼ・える【覚える】

の解説

［動ア下一］［文］おぼ・ゆ［ヤ下二］《「おもほゆ」の音変化。「ゆ」は、もと、自発・可能の助動詞で、自然に思われる、他から思われる意が原義》

1. １ （「憶える」とも書く）見聞きした事柄を心にとどめる。記憶する。「子供のころのことは—・えていない」

1. ２ 学んだり経験したりして、身につける。習得する。「こつを—・える」「技術を—・える」

1. ３ からだや心に感じる。「疲れを—・える」「愛着を—・える」

1. ４ （古風な言い方）思われる。「お言葉とも—・えません」

1. ５ 思い出して話す。

   1. 「いで—・え給へ」〈大鏡・序〉

1. ６ 自然と思い出される。ふと想像される。

   1. 「昔—・ゆる花橘、撫子、薔薇 (さうび) 」〈源・少女〉

1. ７ 似る。似合う。

   1. 「御かたちありさま、あやしきまでぞ—・え給へる」〈源・桐壺〉

1. ８ 他人からそう思われる。

   1. 「この世の中に恥づかしきものと—・え給へる弁の少将の君」〈落窪・一〉

1. ９ 意識がはたらく。分別する。

   1. 「物は少し—・ゆれども腰なむ動かれぬ」〈竹取〉

類語

• 感じる(かんじる)

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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