[代]

  1. 遠称の指示代名詞。

    1. ㋐離れた場所方向などをさす。向こう。あちら。

      「山の—の空遠く」〈上田敏訳・海潮音・山のあなた〉

    2. 「北の障子の—に人の気配するを」〈・帚木〉
    3. 以前。昔。

      「昨日今日とおぼすほどに、三年 (みとせ) の—にもなりにける世かな」〈朝顔

  1. 三人称の人代名詞。対等または上位者に用いる。あちらのかた。あのかた。

    1. 「—にも語らひのたまひければ」〈・藤裏葉〉

[補説]1㋐から2を経て、近世中期に上位者に用いる二人称人代名詞「あなた(貴方)」の用法が生まれた。
[代]《「彼方 (あなた) 」から》二人称の人代名詞
  1. 対等または目下の者に対して、丁寧に、または親しみをこめていう。「—の考えを教えてください」

  1. 妻が夫に対して、軽い敬意や親しみをこめていう。「—、今日のお帰りは何時ですか」

[補説]現代語では敬意程度は低く、学生が先生に、また若者が年配者に対して用いるのは好ましくない。「貴男」「貴女」と書くこともある。

出典:gooニュース

出典:青空文庫

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