[名](スル)あいまいな態度をとること。

米を蒸したり、炊いたりしたもの。麦・粟にもいう。めし。

「家にあれば笥 (け) に盛る—を草枕旅にしあれば椎 (しひ) の葉に盛る」〈・一四二〉

[補説]古くは米を甑 (こしき) で蒸した強飯 (こわいい) のことで、煮たものは「かゆ」といった。現在の米の飯は「姫飯 (ひめいい) 」といい、「汁かゆ」に対して「固かゆ」ともいった。

池や用水の水門の一種。箱状のものを地中に埋め、戸を開閉して水勢調節する仕掛け。和歌では「言ひ」に掛けて用いられる。ひ。ひのくち。

「小山田の苗代水は絶えぬとも心の池の—は放たじ」〈後撰・恋三〉

死んだ人が生前持っていた考え。遺志。「故人の—を継ぐ」

動詞「い(言)う」の連用形から。ふつう「…のいい」の形で用いられる》…についての表現、いわれ。また、…という意味、…のこと。

「間髪を入れずとは正にこの—である」〈芥川・葱〉

[形](「よい」のくだけた言い方。ふつうは終止形連体形だけが用いられる)
  1. よい」に同じ。「器量が—・い」「—・いようにしてくれ」「もっと勉強すれば—・いのに」「もう—・いかい、もう—・いよ」

  1. 関係良好である。特に、男女が相思相愛の仲である。「あの二人は—・い仲だ」「—・い人ができた」

    1. ㋐(反語的に用いて)見苦しい。みっともない。「—・い気になる」「—・い恥さらしだ」

    2. ㋑十分過ぎる。その必要がない。「酒はもう—・い」

[補説]「よい」の終止形・連体形だけが、類義・類音の「ええ(良)」の影響を受けて「いい」となった語。「いくない」「いかった」なども地方によっては使われるが、あまり一般的でない。
[用法]いい・[用法]よい——「日当たりがいい(よい)」「都合がいい(よい)」「気分がいい(よい)」、また「いい(よい)評判」「いい(よい)成績」などでは相通じて用いられるが、話し言葉では「いい」のほうが普通である。◇「いい気味だ」「いいざまだ」「いい年をして」「いい迷惑だ」「いい御身分だ」のような皮肉をこめた言い方、相手非難する言い方では「いい」を使い、「よい」はあまり使わない。「よい子」は正面からの肯定的評価であるが、「いい子になる」では皮肉意味がこめられる。→いいこ(好い子)類似の語に「よろしい」があり、「評判がよろしい(いい・よい)」「成績がよろしい(いい・よい)」など、「いい」「よい」と同じように使うが、「よろしい成績」「よろしい日当たり」などとは普通はいわない。
[ト・タル][文][形動タリ]思い慕うさま。離れがたいさま。
  • 「アリスに別れ愁心—として鬱情を漏らすに由なかりしも」〈織田訳・花柳春話
[ト・タル][文][形動タリ]曲がりくねって長々と続くさま。いだ。「—として続く坂道
[ト・タル][文][形動タリ]喜ばしいさま。喜び楽しむさま。
  • 「男女—として生を楽 (たのし) みしという」〈露伴運命
[ト・タル][文][形動タリ]何の困難もなくたやすいさま。「そんな仕事は—たるものだ」
[ト・タル][文][形動タリ]他の意見に従って少しも逆らわないさま。「—として従う」
[感]かしこまって了承するときの応答の語。はい。
    1. 「疑ひ無きゆゑに—とこたへ給ふ」〈都鄙問答・三〉

出典:gooニュース

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