
1 (あとに「知らず」の意の語句を伴って)さあどうだか。
「人は―心も知らずふるさとは花ぞ昔の香に匂ひける」〈古今・春上〉
2 (「知らず」を含んだ意で用いる)さあどうだかわからない。
「人は―我はなき名の惜しければ昔も今も知らずとを言はむ」〈古今・恋三〉
3 (あとに打消しや逆接の語を伴って)どうも。どうせ。
「契りおく心の末はいさや川―頼まれぬ瀬々のあだ波」〈続後拾遺・恋二〉
1 明確に答えられない場合の応答に用いる語。さあ、どうだか。
「―、殿上などにやおはしますらむ」〈大和・一七一〉
2 軽く否定する場合の応答に用いる語。いや。でも。
「―、人の憎しと思ひたりしがまた憎くおぼえ侍りしかば、といらへ聞こゆ」〈枕・一四三〉
出典:青空文庫
・・・その年三月中旬、品川伊佐羅子の上屋敷が、火事で焼けた。これは、邸・・・ 芥川竜之介「忠義 」
・・・、「おお、いま立っていさっしゃるのが、それじゃがの。」「御不沙汰・・・ 泉鏡花「夫人利生記 」
・・・れでもだから仕方がないさ。来年はだれにも負けなくなるさ」 兄夫婦・・・ 伊藤左千夫「隣の嫁 」