・・・bservatory of Tokyo. This was at the time when meteorology in our country was still in its infant stage under the care o・・・ 寺田寅彦 「PROFESSOR TAKEMATU OKADA」
・・・ ゆえに本塾の教育は、まず文学を主として、日本の文字文章を奨励し、字を知るためには漢書をも用い、学問の本体はすなわち英学にして、英字、英語、英文を教え、物理学の普通より、数学、地理、歴史、簿記法、商法律、経済学等に終り、なお英書の難文を・・・ 福沢諭吉 「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」
・・・ビジテリアン諸氏はこれらのことは充分ご承知であろうが尚これを以て多くの病弱者や老衰者並に嬰児にまで及ぼそうとするのはどう云うものであろうか。 第二は植物性食品はどう考えても動物性食品より美味しくない。これは何としても否定することができな・・・ 宮沢賢治 「ビジテリアン大祭」
先だっての新聞は元新興キネマの女優であった志賀暁子が嬰児遺棄致死の事件で、公判に附せられ、検事は実刑二年を求刑した記事で賑わいました。出廷する暁子として、写真も大きく載せられ、裁判所は此一人の女優の生涯に起った悲しい出来事・・・ 宮本百合子 「「女の一生」と志賀暁子の場合」
・・・ それより前には、志賀暁子の嬰児遺棄致死罪についての公判記事が写真入りでのっており、又、解雇されたことを悲しんで省電に飛び込み自殺をしかけて片脚を失った少女の写真があった。新潟から身売娘が三十人一団となって上京した写真も目にのこっている・・・ 宮本百合子 「暮の街」
・・・おどろくべきは、日本に於て年七八十万人ずつの赤坊のいわば九十パーセントが、社会的に何の保護を持たぬプロレタリアートを母として何等の生存権を主張すべき手がかりを持たぬ嬰児としてこの世に送り出されつつあるという事実である。 十月革命はこの一・・・ 宮本百合子 「子供・子供・子供のモスクワ」
・・・あの時分、二十五歳であった若い娘、若い妻、そしてその若い母のおののく胸に抱きしめられて無心に飢餓の時代も経た嬰児たちは、今や二十五歳の青年であり、娘である。彼等の或るものは、昔その母が彼女を胸に抱きしめたように幼い子供を抱擁して、前線へ出発・・・ 宮本百合子 「これから結婚する人の心持」
・・・昨今人々の耳目をゆるがしている牛込の産婆の嬰児殺しも、この未解決な社会問題にからんでいる。民主主義保育連盟が子供の生きてゆける場所の建設について、具体的に動こうとしはじめていることの必然が、はっきりここに示されている。 暮から東京裁判は・・・ 宮本百合子 「砂糖・健忘症」
・・・カラ ああ、あの火花の下をかいくぐり、嬰児の命を庇おうとして、到頭ばったり倒れた母親。――破壊神、呪いの神にお礼を云って戴きます。アーリアン人の喧嘩の時も、餌物は随分ありはしたが、どれもこれも味のない程苦しかった。敵が憎いと云う一念で、・・・ 宮本百合子 「対話」
・・・一体、あちらでは、立ち上る位までになった子でない、ほんの嬰児は、多くの場合、彼等の小さい揺籃の中に臥されています。母親は傍に椅子を引寄せて、あやしながらでも、体は自由に仕事が出来ます。いつも母の膝に抱かれているような習慣はありません。そんな・・・ 宮本百合子 「男女交際より家庭生活へ」
出典:青空文庫