私のところへ送付された十数篇の応募原稿の中から、左の四篇を予選にのこして回覧した。予選には洩れたが、何かの意味で書き直したら作者の勉強になるだろうと考えられた作品にはそれぞれ寸評を加えて原稿を送りかえした。 今回は、大・・・ 宮本百合子 「小説の選を終えて」
・・・工業化債権に、スモーリヌイの勤務者が何ルーブル応募したとかいう報告が書かれている。―― 壁新聞は、СССРじゅう至るところの役所、工場の職場、学校で発行されている。大抵、手書きである。漫画、写真をはったの、新聞雑誌からの切りぬきを編輯し・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・間宏、椎名麟三、中村真一郎氏その他の作家が注目すべき創作活動を行ったこと、勤労大衆の文化的活動がさかんになってきて文学サークル協議会が確立し、『文学サークル』という雑誌が出るようになったし、全逓新聞の応募小説になかなか優秀なものがあって、そ・・・ 宮本百合子 「一九四七・八年の文壇」
・・・この作品は報告文学であるが、気持のそういう方面も健康に全体の中にふくめて書かれているし、応募作品中の佳作である。〔一九三四年十一月〕 宮本百合子 「「第三新生丸」後日譚について」
・・・国鉄の雑誌や労働新聞に集る沢山の応募原稿の選をした方々にもこれはよく分っています。 働く人々が文学作品を読み、味わい、批評するその過程に、いわゆる文学をよく知っている人が自然指導的な発言をするようになるわけですが、その時たとえその人が労・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
ブルジュア・ジャーナリズムで行われるいろいろの懸賞募集の選は、いつも必ずブルジュア・ジャーナリズムの利害の見地でやられる。 当選した文章が、だから、いつもその時応募した数百のものの中で一番正鵠を得て書かれているとか、科・・・ 宮本百合子 「反動ジャーナリズムのチェーン・ストア」
・・・三回の応募原稿をよんだ中でわたしはこの一篇から忘れることのできないひびきを伝えられた。 岡村順子さんの「尼になる日」、そこに幸福はないことをはっきりと見とおしながら夫を失った二十五歳の女性がそのことによって生活も失って、敗北と知りながら・・・ 宮本百合子 「「未亡人の手記」選後評」
・・・ 文化連盟及『働く婦人』の基金募集応募のことは異議あろう筈はありません。例えば、『働く婦人』にしろ、実に困難な経済の中から苦心して発行しているのです。あなたがまとまって寄附なさることが出来れば幸いです。その他あなたのお友達の中で、よしん・・・ 宮本百合子 「「我らの誌上相談」」
・・・ それは日出新聞社から頼まれている応募脚本であった。 日出新聞社が懸賞で脚本を募ったとき、木村は選者になった。木村は息も衝けない程用事を持っている。応募脚本を読んでいる時間はない。そんな時間を拵えるとすれば、それは烟草休の暇をそれに・・・ 森鴎外 「あそび」
出典:青空文庫