おこ・す【起（こ）す】

の解説

［動サ五（四）］

1. １ 横になっているものを立たせる。「からだを—・す」「倒木を—・す」「転んだ子を—・す」

1. ２ 目を覚まさせる。「寝入りばなを—・される」

1. ３ 今までなかったものを新たに生じさせる。「風力を利用して電気を—・す」「波を—・す」

1. ４ 新しく物事を始める。興す。「事業を—・す」

1. ５

   1. ㋐自然が働きや動きを示す。「噴火を—・す」「地滑りを—・す」

   2. ㋑平常と異なる状態や、好ましくない事態を生じさせる。ひきおこす。「革命を—・す」「事故を—・す」

   3. ㋒静かな状態を刺激して、ある影響をもたらす。「ブームを—・す」

1. ６ ある感情・欲望を生じさせる。また、からだの働きがある状態を示す。「やる気を—・す」「里心を—・す」「拒絶反応を—・す」「食中毒を—・す」

1. ７ 表面に現れるようにする。

   1. ㋐土を掘り返す。「畑を—・す」

   2. ㋑へばりついている状態のものをはがす。「芝を—・す」「敷石を—・す」

   3. ㋒伏せてあるカード・花札などをめくって表を出す。

   4. ㋓隠されていた状態から表に出す。「伏せ字を—・す」

1. ８ 速記や録音の音声などを文字化する。また、文章を書いたり文書を作ったりする。「講演の録音を原稿に—・す」「稿を—・す」「伝票を—・す」

[可能]おこせる

類語

• 引き起こす(ひきおこす)

下接句

• 願(がん)を起こす
• 事を起こす
• 甚助(じんすけ)を起こす
• 寝た子を起こす
• 身を起こす
• 虫を起こす

おこ・す【^▽遣す／^▽致す】

の解説

［動サ下二］

1. １ よこす。届けてくる。

   1. 「講師、もの、酒—・せたり」〈土佐〉

1. ２ （動詞の連用形に付いて）その動作が自分の方へ及ぶことを表す。こちらへ…する。…してくる。

   1. 「空合はせ（＝夢判断）にあらず、いひ—・せたる僧の疑はしきなり」〈かげろふ・下〉

［動サ四］《の四段活用化》1に同じ。

1. 1. 「極道めが—・しをらぬわい」〈滑・浮世床・初〉

おこ・す【^×熾す】

の解説

［動サ五（四）］《「起こす」と同語源》炭火などの勢いを盛んにする。また、炭などに火をつける。「火吹き竹で火を—・す」

[可能]おこせる

おこ・す【興す】

の解説

［動サ五（四）］《「起こす」と同語源》

1. １ ひっそりしていたものを目立つ状態にする。衰えていたものを再び勢いづかせる。「家を—・す」「国を—・す」「弓道を—・す」

1. ２ 「起こす4」に同じ。「俳句の革新運動を—・す」

1. ３ 気力を充実させる。奮い立たせる。

   1. 「君もしひて御心を—・して、心の内に仏を念じ給ひて」〈源・夕顔〉

1. ４ 大挙して立ち上がらせる。

   1. 「十八日辰 (たつ) の一点に大衆 (だいしゅ) を—・し」〈平家・四〉

[可能]おこせる

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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