かがみとぎ【鏡磨ぎ】
金属性の鏡をみがいて曇りをとり、光沢を出すこと。また、それを職業とする者。
かがみなす【鏡なす】
[枕] 1 古代の貴重品である鏡のように大切に思うの意から、「思ふ」にかかる。「—我 (あ) が思ふ妹 (いも) もありといはばこそ」〈万・三二六三〉 2 鏡を見るように見るの意から、「見る」およびそれと同音の「み」を含む地名「み津」にかかる。「—我が見し君を」〈万・一四〇四〉
かがみぬき【鏡抜き】
鏡4を抜くこと。祝宴などで、酒樽のふたを槌 (つち) などで割り開くこと。鏡開き。鏡割り。
かがみのま【鏡の間】
1 能舞台で、橋懸かりの奥の揚げ幕のすぐ内にある板敷きの部屋。姿見鏡を置き、役者は登場直前にここで面 (おもて) をつけ、気を統一する。 2 江戸時代、歌舞伎舞台で大臣柱と大臣柱の間の本舞台になるところ。 3 四方に鏡を張りめぐらしてある部屋。 4 ⇒鏡の回廊
かがみのまつ【鏡の松】
能舞台で、鏡板 (かがみいた) に描かれる老松の絵。奈良春日 (かすが) 神社の影向 (ようごう) の松を写すという。
かがみは【鏡葉】
カシワなどの、表面が広くてつやのある葉。 [補説]書名別項。→鏡葉
かがみばこ【鏡箱/鏡匣/鏡筥】
平安時代以後、寝殿に置いた調度の一。円形または八つ花形で脚のついた台の上にのせ、鏡・汗手拭 (あせたなごい) ・領巾 (ひれ) などを入れた。
かがみはだ【鏡肌】
断層面に沿って岩盤がずれ動いたときの摩擦で生じた、鏡のような光沢のある面。
かがみばり【鏡張り】
1 鏡板1を張ること。また、張ったもの。 2 鏡1を張ること。また、張ったもの。
かがみびらき【鏡開き】
1 《「開き」は「割り」の忌み詞》正月11日(もと20日)に鏡餅 (かがみもち) を下ろし、雑煮や汁粉にして食べること。武家では、男子は具足に、女子は鏡台に供えた鏡餅を手や槌 (つち) で割り砕いた。町家でもこの風習をまねて行うようになった。鏡割り。《季 新年》「伊勢海老の—や具足櫃 (ぐそくびつ) /許六」 2 「鏡抜き」に同じ。鏡割り。