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辞書
「陰間 (かげま) 」に同じ。
「かれらも品こそかはれ、—と同じ」〈浮・一代男・二〉
春の天気のよい穏やかな日に、地面から炎のような揺らめきが立ちのぼる現象。強い日射で地面が熱せられて不規則な上昇気流を生じ、密度の異なる空気が入りまじるため、通過する光が不規則に屈折して起こる。かぎろい。糸遊 (いとゆう) 。《季 春》「丈六に—高し石の上/芭蕉」
1 《飛ぶ姿が陽炎 (かげろう) の立ちのぼるさまに似ているところからの名》カゲロウ目の昆虫の総称。体は繊細で、腹端に長い尾が2、3本ある。翅 (はね) は透明で、幅の広い三角形。夏、水辺の近くの空中を浮かぶようにして群れ飛ぶ。幼虫は川中の礫 (れき) 上や砂中に1〜3年暮らす。成虫は寿命が数時間から数日と短いため、はかないもののたとえにされる。糸遊 (いとゆう) 。
2 (蜻蛉)トンボの古名。《季 秋》
「—なんどのやうにやせおとろへたる者よろぼひ出できたり」〈平家・三〉
1 姿などがちらちらする。ちらっと見える。
「敵意の外に、まだ認めなければならない或物が其所に—・った」〈漱石・明暗〉
2 光がほのめく。ひらめく。《季 春》「ギヤマンの如く豪華に—・へる/茅舎」
「松のたえまより、わづかに月の—・ひて見えけるを見て」〈山家集・下・詞書〉
3 日がかげる。陰になる。
「秋寒き夕日は峰に—・ひて岡の尾花に風すさぶなり」〈風雅・秋上〉
出典:デジタル大辞泉(小学館)
陽炎稲妻水の月
捕らえがたいもの、また、すばしこいもののたとえ。「隠れ現れ—手にもたまらず防がるる」〈浄・烏帽子折〉
蜉蝣の命
蜉蝣の命のように、人の一生が短いことをたとえていう語。はかない命。
出典:青空文庫
・・・川の水から生まれる黒蜻蛉の羽のような、おののきやすい少年の心は、・・・ 芥川竜之介「大川の水」
・・・んだ土には、かすかに陽炎が動いていた。「それもまた大成功さ。――・・・ 芥川竜之介「将軍」
・・・ずれも腹這いになり、陽炎の立った砂浜を川越しに透かして眺めたりし・・・ 芥川竜之介「蜃気楼」
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