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・・・ 七 短歌の連作と連句 近ごろ岩波文庫の「左千夫歌論抄」の巻頭にある「連作論」を読んで少なからざる興味を感じたのであるが、同時に連作短歌と連句との比較研究という一つの新しい題目が頭に浮かんで来るのであった。ところ・・・
寺田寅彦
「連句雑俎」
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・・・という歌壇革新の歌論を日本新聞に発表したのは明治三十一年であった。当時十九歳ばかりであった長塚節はこの論文にいよいよ動かされた。そして、三十年には子規の門に入り、主として和歌、俳句、写生文を学び、子規が没し『アララギ』が出るようになってから・・・
宮本百合子
「「土」と当時の写実文学」