- 「もやがすっかり晴れましたから、恐ろしく―・じて来ました」〈鏡花・玄武朱雀〉
1 外からの刺激のために、感覚器官にある感覚を起こす。「空腹を―・ずる」「暑さを―・ずる」
2 心の中にある種の気持ちを持つ。「うれしく―・ずる」「必要を―・ずる」「―・ずるところがあって」
3 心を動かされる。感動する。「深く―・じさせる演説」「善行に―・ずる」
4 計測器などが反応する。「地震計に―・ずる」
5 病気に感染する。
「いつどんな病に―・じて、こんな風に死ぬるかもしれないと」〈鴎外・妄想〉
6 感心してほめたたえる。
「平家、船ばたをたたいて―・じたり」〈平家・一一〉
7 前世の行為の報いが現れる。
「殺生の罪は現報を―・ずるなりと知るべし」〈今昔・九・二一〉
1 心に思い浮かべて静かに観察する。「改めて世界の情勢を―・ずるに」
2 思いめぐらして物の真理・本質を悟る。観念する。「人生を無常と―・ずる」
出典:青空文庫
・・・馬の脚の蒙古の空気を感ずるが早いか、たちまち躍ったり跳ねたりし出し・・・ 芥川竜之介「馬の脚 」
・・・、悉く己が身の仏性を観ずると云う意じゃ。己が肉身は、三身即一の本覚・・・ 芥川竜之介「道祖問答 」
・・・体の美しさを、如実に観ずる事が出来たのである。 しかし、芸術の士に・・・ 芥川竜之介「女体 」