・・・ 戦争強行が進むにつれ、反動文学者たちはしだいに軍人や役人めいた身構えをとって、大規模に文学者を動員し、さまざまの形で軍事目的に使った。ともに従順でないもの、戦争の本質に洞察をもつ者、文学を文学として護ろうとする者を沈黙させ、投獄した。・・・ 宮本百合子 「歌声よ、おこれ」
・・・アメリカを中心としてヨーロッパ中を襲った大恐慌は、マルクス一家の窮乏をますますひどくした。けれどもカールは「万難を排して目的を遂げなければならない。そして僕を金儲け機械にすることをブルジョア社会に許してはならないのだ。」この恐慌の時期に労作・・・ 宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
・・・世界の一般恐慌切りぬけ策として、帝国主義日本は他のブルジョア国とともに第二次世界戦争を計画し、その口火として近くソヴェト同盟侵略戦争を始めようとしている。つまり、世界の勤労大衆の中からもり上って来る革命力ぶっ潰しの第一陣を日本の帝国主義が買・・・ 宮本百合子 「逆襲をもって私は戦います」
・・・にさえならぬ図々しい屁理屈をこねている日本帝国主義の三百代言松岡洋右の提灯もちなどとともに、大衆を犠牲として恐慌を切りぬけようとする支配階級帝国主義戦争強行のチンドン屋の役を相つとめている。「物価暴騰時代。損をしない心得」この記事をよん・・・ 宮本百合子 「『キング』で得をするのは誰か」
・・・にさえならぬ図々しい屁理屈をこねている日本帝国主義の三百代言松岡洋右の提灯もちなどとともに、大衆を犠牲として恐慌を切りぬけようとする支配階級帝国主義戦争強行のチンドン屋の役を相つとめている。「物価暴騰時代。損をしない心得」この記事をよん・・・ 宮本百合子 「『キング』で得をするのは誰か」
・・・ 一九二九年の世界大恐慌から後一九三三年ナチス独裁が樹立するころ、ケーテの生活はどんなふうであったのだろう。シュペングラーが「婦人は同僚でもなければ愛人でもなく、ただ母たるのみ」という標語を示した時、母たるドイツの勤労女性の生活苦闘の衷・・・ 宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
・・・只今開催中の臨時議会は、戦争犯罪人の摘発に脅かされて、新聞はおのずから諷刺的に彼等の恐慌を語っている。社会生活の破壊がもたらす様々な辛苦を、家庭で婦人は自身の皸のきれた手によって知っている。婦人の参政権どころか、「食べることの方が忙しい」と・・・ 宮本百合子 「現実に立って」
・・・街の老若男女が、強硬不屈に、去年よりは十倍と新聞に報じられている所得税の誅求に対してたたかっている。 世論調査には、莫大な費用がかかる。人手もいる。そのために、その費用の支出にたえ調査機関としての人手をもち、同時にその世論調査そのものが・・・ 宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
・・・国鉄の名もない被整理従業員たちのだれかれの一家の、妻や子や年よりのおどろき、怨み、歎きとその本質は一つもちがうところのない恐慌が、故人の一家をおそったであろうという想像も許されるだろう。けれども、それに対してとられた抵抗と防衛の手段は、故人・・・ 宮本百合子 「権力の悲劇」
・・・ 一九二九年秋以来アメリカには農村恐慌がある。 ソヴェト同盟の耕地に一台トラクターが運転されることは、直接集団化された農民に何割かの確実な収益増大を約束するばかりではない。トラクターと一緒に文化がやって来ている。「ギガント」から一時・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
出典:青空文庫