君子の過ちは日月の食の如し
《「論語」子張から》日食も月食も光を失ってもすぐに明るくなるように、君子は過ちを犯すことがあっても、すぐに改めて、もとの徳性に立ち返るというたとえ。
君子の九思
《「論語」季氏から》君子として常に心掛けるべき九つのこと。見るときははっきり見る、聞くときはしっかりと聞く、顔つきはおだやかに、態度はうやうやしく、言葉は誠実で、仕事には慎重、疑問は質 (ただ) し、怒りにはあとの面倒を思い、利益を前にしては道義を思う、の九つ。
君子の三畏
《「論語」季氏から》君子がおそれはばかる三つのものの意で、天命と大人 (たいじん) と聖人の言。
君子の三楽
《「孟子」尽心上から》君子が持つ三つの楽しみ。父母兄弟が無事なこと、天や人に恥じないこと、天下の英才を教育すること。
君子の徳は風
《「論語」顔淵から》風が草をなびかせるように、君子がその徳によって人々をなびかせ教化すること。
君子の交わりは淡きこと水の如し
《「荘子」山木から》君子は人と交わるのに、水のようにさっぱりしているので、友情は永く変わることがない。
君子は危うきに近寄らず
君子はいつも身を慎んでおり、危険なことはおかさない。
君子は器ならず
《「論語」為政から》ある用途のために作られた器物と異なり、君子は一技一芸にかたよらず、完全円満である。
君子は三端を避く
《「韓詩外伝」七から。三端は筆端・鋒端・舌端の三つ》君子は文章・武術・弁論で人と争うことはしないということのたとえ。
君子は周して比せず小人は比して周せず
《「論語」為政から。「周」はあまねく、「比」はべたべたするの意》君子は広く公平に人と親しむが、小人は特定の仲間とだけ親しみがちである。