心急く
気がせいて、いらいらする。心がいらだつ。「一刻も早くと—・かれる」
心染む
深く心にとまる。気に入る。「さこそげに君なげくらめ—・めし山の紅葉を人に折られて」〈右京大夫集〉
心空なり
心が自分のからだから離れてしまったようだ。うわの空である。「たもとほり行箕 (ゆきみ) の里に妹を置きて—土は踏めども」〈万・二五四一〉
心立つ
心が奮いたつ。「心ねたうもてないたる、なかなか—・つやうにもあり」〈源・胡蝶〉
心付く
(「付く」が四段活用の場合) 1 愛情や関心が生じる。執心する。「御娘たちの住まひ給ふらむ御ありさま思ひやりつつ、—・く人もあるべし」〈源・椎本〉 2 物心がつく。分別がつく。「—・きなば、僧になして」〈太平記・九〉 3 気がつく。「ある人々は—・きたるもあるべし」〈堤・虫めづる姫君〉 (「付く」が下二段活用の場合) 1 愛情や関心を持つ。思いを寄せる。「うつせみの常なき見れば世の中に—・けずて思ふ日そ多き」〈万・四一六二〉 2 気をつける。注意する。「若き人に見ならはせて、—・けんためなり」〈徒然・一八四〉
心尽く
気力が尽きる。気ばかりもむ。「かやうに待ち聞えつつあらむも、心のみ尽きぬべきこと」〈源・葵〉
心解く
1 心のわだかまりが解ける。きげんがなおる。「なほ—・けぬ御気色にて」〈源・浮舟〉 2 緊張が解ける。くつろぐ。「酒盛りなんどして、—・けたるほどなりけるに」〈増鏡・三神山〉
心留まる
1 ある物に強く心が引かれる。気に入る。「山水に—・り侍りぬれど」〈源・若紫〉 2 あきらめきれなくなる。未練が残る。「—・ることなくて、極楽にも心清く参り侍るべき」〈栄花・鶴の林〉
心和ぐ
心がやわらぐ。心が慰む。「家島は雲居に見えぬ我 (あ) が思 (も) へる—・ぐやと」〈万・三六二七〉
心に余る
自分の考えではどうにも処理できない。思案に余る。「—・る問題をかかえる」