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・・・ 大学の地下に匂う青い花、こそばゆい毒消しだ。よき日に来合せたもの哉。ともに祝わむ。ともに祝わむ。 盗賊は落葉の如くはらはらと退却し、地上に舞いあがり、長蛇のしっぽにからだをいれ、みるみるすがたをかき消した。 決闘・・・
太宰治
「逆行」
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・・・もっともっと、頑張らなければなりません、という言葉が、三田君ご自身に就いて言っているのであろうが、また、私の事を言っているようにも感ぜられて、こそばゆい。あとはブランク、とご自身で書いているのである。御元気ですか、私は元気です、という事のほ・・・
太宰治
「散華」