・・・の呼び声に呼応してさかんにこだました。 その時分、私の書いた「一連の非プロレタリア的作品」という作品批評と感想とをとりまぜた論文めいたものが、その「やっつけ主義」批評ののろうべき見本であるかのように、紙つぶてをなげつけられた。 今、・・・ 宮本百合子 「近頃の感想」
・・・○一昨年十二月二十五日 新日本文学主催の文学者のファシズム反対講演会東條 処刑A級戦犯 釈放「安部源基」 1931年 満州侵略がはじまったころ、大泉、小畑をつかっていた男。児玉よしを 台湾への□(二、その・・・ 宮本百合子 「東大での話の原稿」
・・・琴の音、ぞっとするような、うっとりするような、抱えたような、投げたような、海の中に柳が有ったらお月様のかげの中に身をなげてしにたいような、立って動かぬしとみ戸に影うすくよって聞く人は声なくて只阿古屋の小玉が頬に散る。余韻を引いて音はやんだ、・・・ 宮本百合子 「錦木」
・・・それらの声は決してわたし一人の声ではなかった。こだまは四方にあった。そして、一九四七年の夏に解放社から『歌声よ おこれ』という本になって出版されたものを見たとき、わたしは切ない心持になった。その本は、手ちがいのために、ひどく紙質も粗悪であっ・・・ 宮本百合子 「はしがき(『文芸評論集』)」
・・・そのファシスト団体の首領である児玉誉士夫、葛生能久たちが自由市民の生活にまぎれこんできました。 こういうふうに、国際的に侵略戦争の煽動者であり、ファシズム思想の組織者であったと認められた人びとが、わたしたちの生活にたちまじってきたことに・・・ 宮本百合子 「ファシズムは生きている」
・・・ 一九四八年十二月に東條をはじめとする戦争首謀者たちの処刑が行われ、その犠牲において児玉誉士夫のようなファシズム文化の運動に関係ある日本のファシスト戦犯が大量に無罪釈放されて民間にまぎれこんだ。このことは、日本民主化のために重大な害悪と・・・ 宮本百合子 「婦人作家」
・・・ 同じ一つの新聞が、三田土ゴムの女工さんであった児玉しづ子をはじめ多くの婦人党員が、男の党員とともにめざましい働きをしたと書きながら、裏をかえすとまるで婦人党員は、家政婦の役だの色仕掛で金をまき上げるようなことだのばかりしていたように書・・・ 宮本百合子 「婦人党員の目ざましい活動」
・・・自分の心にあるものを私どもは話す、受けて応えるこだまこだまの美しさ、そういうものを求めて来ていらっしゃると想像します。 あなた方一人一人は英雄ではないでしょう。私どもが一葉より文学に於て才能が劣っているかも知れない。しかし歴史は新しい、・・・ 宮本百合子 「婦人の創造力」
・・・一つの叫びにこだまする全階級の声。その声がいわんとするものは何か。互に矛盾し合ういろいろなストライキの間の現象。プロレタリアートの心持などを徹して、描かれなければならないものはそれだ。主題である。単なる筋書ではない。 つよい、熱い主題を・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・同じグループの児玉誉士夫というのは児玉機関といわれた特務機関のような一種のファシズムのボスですが、彼は或る種の右翼的な作家、名前をいうことを止めますが、そういう作家達と近い関係にあったという話があります。 すべてのこういう事情はこんにち・・・ 宮本百合子 「平和運動と文学者」
出典:青空文庫