杯をなん度も重ねること。

瓶子 (へいじ) もかはり、—に暫く時も移りしが」〈浄・布引滝

[ト・タル][文][形動タリ]
  1. 暗くて物の区別がつかないさま。また、道理に暗いさま。

    1. 「くるしさにもがけばもがくほど白昼の靄 (もや) は—と深く」〈石川淳普賢

  1. 意識がないさま。

    1. 「あの不幸後、とかく茫然自失の気味で、ふだんはただ—として居る」〈蘆花思出の記

  1. 寝入っているさま。「—と眠り続ける」

[ト・タル][文][形動タリ]
  1. 水がさかんに流れるさま。また、尽きることなくわくさま。「—とわき出る清水」

  1. 物事の尽きないさま。特に、弁舌などがとどこおりなくさわやかなさま。

    1. 「名論卓説、—として尽きず」〈独歩牛肉と馬鈴薯〉

  1. (「渾々沌々 (とんとん) 」の形で)物の入りまじってはっきりしないさま。「—沌々たる世界

[ト・タル][文][形動タリ]こんこん(渾渾)12」に同じ。「—とわき出る泉」「—として尽きることない弁舌
[ト・タル][文][形動タリ]心の込もったさま。また、心を込めて丁寧に説くさま。「—とさとす」
[副]
  1. せきをするときの声を表す語。

  1. 狐の鳴き声を表す語。

  1. 固い物が軽く打ち当たったときに発する音を表す語。「扉を—(と)ノックする」

  1. 雪や雨などがさかんに降るさま。

[名]狐のこと。
    1. 「—にでも欺されたようで」〈総生寛・西洋道中膝栗毛

出典:青空文庫

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