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・・・「私蚊なんかいたら死んじゃうよ」そういうの。二十年アメリカの移民の間に暮しても尚そういう感情であるというのは、他の一面の熱っぽいところ、ものに正面から当って行こうとするところとひどい矛盾であって、その矛盾は滑稽に近いものとなっていることが分・・・
宮本百合子
「獄中への手紙」
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・・・習慣的に賃銀を受とると飲んじゃう奴がある。五ヵ年計画で国じゅう真剣なのに、職場でこっそりあおっちゃくたくたしていられては堪らぬ。ソヴェトのプロレタリアートは目覚ましい勢で自己批判を始めた。一九二九年から禁酒運動の盛になったこと、文部省はアル・・・
宮本百合子
「正月とソヴェト勤労婦人」