《「す」は「しゅう」の直音表記》「しゅうく(秀句)」に同じ。

「いみじき―のたまへる人なり」〈大鏡・伊尹〉

[動カ五(四)]

  1. 人や物事に心が引きつけられる。魅力を感じる。このむ。「だれからも―・かれる」「かけ事はどうも―・かない」

  1. 恋愛感情をいだく。「―・いて―・かれて一緒になる」「―・いたどうし」

  1. 風流の道に心を寄せる。

    1. 「よき人はひとへに―・けるさまにもみえず、興ずるさまも等閑 (なほざり) なり」〈徒然・一三七〉

  1. 好色である。多情である。

    1. 「―・きたる罪重かるべし」〈・帚木〉

[動カ下二]すける」の文語形。
[動カ五(四)]《「透く」と同語源》
  1. ある空間を満たしていた人や物が少なくなって、あきができる。まばらになる。減る。「がらがらに―・いた電車」「道路が―・く」

  1. 空腹になる。「腹が―・く」

  1. (「胸がすく」などの形で)つかえていたものがなくなり、すっとする。心がはれる。「胸の―・く思い」

  1. (「手がすく」の形で)当面することがなく、ひまができる。ひまになる。「手が―・いたら手伝ってくれ」

[動カ四]食べる。食う。特に、食物を水などで流しこむ。飲み込む。
  • 「塩絶ちて、木の実、松の葉を―・きて」〈宇津保・あて宮〉
[動カ五(四)]薄く切る。薄く削り取る。そぐ。「皮を―・く」
[可能]すける[カ下一]

[動カ五(四)]

  1. すきまが生じる。「板戸の合わせ目が―・く」

  1. 物を通して、中や向こう側が見える。「川底まで―・いて見える」

  1. 物の間を通り抜ける。「木の間を―・いて光が漏れる」

[動カ五(四)]《「透く」と同語源》
  1. 櫛 (くし) などで髪をとかす。くしけずる。「髪を―・く」

  1. 理髪の技術の一。はさみなどで髪の量を少なくする。「前髪を―・いて軽くする」

[可能]すける[カ下一]
[動カ五(四)]糸で網などを編む。「漁網を―・く」
[可能]すける[カ下一]
[動カ五(四)]《「透く」と同語源》
  1. 溶かした原料を簀子 (すのこ) の上に薄くのばし敷いて紙をつくる。また、パルプなどを原料にして紙をつくる。「紙を―・く」

  1. 紙のように薄いものをつくる。「海苔 (のり) を―・く」

[可能]すける[カ下一]
[動カ五(四)]《「透く」と同語源》
  1. 鋤 (すき) 鍬 (くわ) などで田畑の土を耕す。「田を―・く」

  1. 根こそぎにする。取り除く。

    1. 「奸を―・きてこれを懲 (こ) らし」〈染崎延房・近世紀聞〉

[可能]すける[カ下一]

出典:青空文庫