[動マ五(四)]

  1. 家や場所をきめて、常にそこで生活する。居住する。「空気のよい所に—・みたい」「—・む家もない」

  1. ある領域に身を置く。生きている。「我々とは別世界に—・んでいる人」

  1. (棲む)動物が巣を作って、その中で生活する。生息する。「水辺に—・む鳥」

  1. (妻問婚 (つまどいこん) が行われていた時代に)男が夫として女の家に通う。

    1. 「越前守の思ひて時々—・みける」〈落窪・三〉

[可能]すめる

《「澄む」と同語源》

[動マ五(四)]
  1. 物事がすっかり終わる。「契約が—・む」「株主総会が無事に—・んだ」

  1. 借りを全部返す。「借金が—・む」

  1. 予想していた程度以下や範囲内で収まる。解決される。また、その場はそれで用が足りる。間に合う。「幸い、軽傷で—・んだ」「電話一本で—・むことだ」「罰金だけで—・んだ」

  1. 気持ちのうえで満足する。気持ちが安らぐ。「君の気が—・むまでなぐってくれ」

  1. 他人に対して言い訳が立つ。多く、打消し・反語の意を表す語を伴って、他人に謝罪する際に用いる。「ほんとに—・まなかったね」「あやまって—・む問題ではない」→済まない済みません

[動マ下二]得心がゆく。納得する。
    1. 「—・めぬ事若後家五つ指を折り」〈柳多留・一三〉

[動マ五(四)]
  1. 水や空気などに濁りがなくなり、透きとおった状態になる。「池の底まで—・んで見える」「—・んだ高原空気」⇔濁る

  1. 光や色などに曇りがなく、はっきり見える。「明るく—・んだ月」「—・んだ目」「—・んだ水色」

  1. 音がさえてよく響く。「—・んだ声」⇔濁る

  1. 心配邪念がなく、心がすっきりしている。「—・んだ心で人とつきあう」

  1. 清音発音する。「『輝く』は、古くは『かかやく』と—・んで発音した」⇔濁る

  1. 雑音がおさまって静かになる。

    1. 「家も—・みて人も無かりければ」〈今昔・三〇・四〉

  1. すましこむ。気取る。

    1. 「舟の楫 (かぢ) 取りたる男 (をのこ) ども…うそぶいて見回し、いといみじう—・みたるさまなり」〈更級

  1. 上品で落ち着いている。地味な感じがする。

    1. 「薄鈍色の綾、中には萱草 (くわんざう) など—・みたる色を着て」〈・手習〉

  1. 物事筋道がはっきりする。道理が明らかになる。

    1. 「理が—・マヌコトヂャ」〈日葡

[動マ下二]
  1. 濁りをなくしてきれいにする。

    1. 「心ヲ—・メテ世ノ塵 (ちり) ニ汚サレザル人」〈ロドリゲス日本大文典

  1. 道理を明らかにする。

    1. 「理ヲ—・ムル」〈日葡

ウズベキスタンの通貨単位。1スムは100ティイン。

出典:青空文庫

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