[名]その状態になってすぐの時。多く、他の語の下に付いて用いられる。「開店—から忙しい」「会う—用件を切り出す」
[副]急いで物事をするさま。はやばや。「あのようすだと—帰るだろう」「—に用事を済ませる」
  1. 新しく物事を始めること。また、物事の始まり。「事業の—に携わる」「—期」

  1. 神社寺院などを初めて建てること。創建

草の茂った所。くさむら。

[名](スル)葬送」に同じ。
[名](スル)遺体を葬るために墓所まで送ること。のべおくり。送葬。「—する行列
[補説]書名別項。→葬送
[形動][文][ナリ]
  1. あわただしいさま。忙しいさま。「朝食もとらず—に出勤する」「烏兎 (うと) —」

  1. 草草 (そうそう) 3」に同じ。

  1. 忙しさのために、簡略にするさま。

    1. 「公事 (おほやけごと) —にして」〈宇津保・沖つ白浪

[ト・タル][文][形動タリ]1に同じ。「—として日を送る」
[形動][文][ナリ]
  1. 簡略なさま。粗略なさま。また、もてなしや待遇が不十分なさま。「—に説明を終える」「お—でございました」→御草草 (おそうそう) 

  1. 匆匆 (そうそう) 1」に同じ。「—に引き上げる」

  1. 手紙文の末尾に、急ぎ走り書きをしたことをわびる意で、書き添える語。「前略」「冠省」などと照応して用いる。匆匆

[ト・タル][文][形動タリ]水が音を立てて、よどみなく流れるさま。
[ト・タル][文][形動タリ]声や物音が騒々しいさま。
  • 「虫の音は村雨のように絶えず—として」〈荷風地獄の花〉
[ト・タル][文][形動タリ]幾重にもかさなっているさま。
  • 「—と畳 (たた) まるように繁っている針葉樹の集りは」〈島木健作・続生活の探求
[ト・タル][文][形動タリ]
  1. あおあおとしているさま。また、あおみを帯びているさま。「—たる大空」

    1. 「顔色—として土の如し」〈織田訳・花柳春話

  1. 草木があおあおと茂っているさま。「—たる夏草の茂み」

[ト・タル][文][形動タリ]
  1. 金属楽器の音がさえて響くさま。

    1. 「警邏剣履の響—たるを聞く」〈東海散士佳人之奇遇

  1. 多くのものの中で特にすぐれているさま。「—たる顔ぶれ」

[ト・タル][文][形動タリ]群がり集まるさま。ぞくぞく。
  • 「この植物は、茎の先に、—として花をつけた」〈芥川煙草悪魔
[ト・タル][文][形動タリ]よろめくさま。
[ト・タル][文][形動タリ]草木の群がり茂るさま。「—たる竹やぶ」
[ト・タル][文][形動タリ]
  1. 玉や金属が触れ合って鳴り響くさま。また、高く美しい音の響くさま。鏘然。

    1. 柱頭の時辰儀—として正午を報ず」〈菊亭香水・世路日記〉

  1. 盛んなさま。

    1. 服装から何から、だれが見ても硬派中の—たるものである」〈鴎外ヰタ‐セクスアリス

[副](あとに打消しの語や反語を伴って)そんなに。それほどに。「—遊んではいられない」「—うまいぐあいにいくものか」
[感]
  1. 忘れていたことをふと思い出したときに用いる語。「—、君に言うことがあった」

  1. 相手の言葉や動作賛意を表すときに用いる語。「—、そのとおりだ」

平野啓一郎の長編小説。19世紀フランスを舞台に、音楽家ショパン画家ドラクロワ交流を描く。第1部は平成12年(2000)と13年(2001)、いずれも雑誌新潮」に掲載。単行本は平成14年(2002)、書き下ろしの第2部を加え2冊で刊行された。著者のデビュー作「日蝕」、続く「一月 (いちげつ) 物語」とあわせ、ロマンチック三部作と呼ばれる。

出典:青空文庫

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