・・・ 一九三〇年三月二十四日、七十五万人の勤労者がモスクワでローマ旧教運動反対デモをやった。プロレタリア作家もこの示威に参加し、作家クラブではこの問題についての特別講演会が持たれた。プロレタリア作家たちは、この問題を段々科学的に考えはじめた・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ 丁度上野でデモが解散という刻限、朝から晴れていた空が驟雨模様になって来た。「こりゃふるね」「同じふるなら、早くたのみますね」 かわりがわり本気で窓から空模様をうかがっている。黒雲は段々ひろがった。やがて若葉の裏を翻して暗く・・・ 宮本百合子 「刻々」
・・・ お母さんは 私閉口しちゃったけれど、やっぱり観に行くわ、と楽しそうに忍び笑いをして、デモ、もうあの先生は誘わないの、と私に云いました。その話を思い出した。これは私がいやだというのとはちがうのですけれどもね。今の世の中に、そういう心持の・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・婦人労働者たちは、デモに着て出る服の手入れでもして、四月三十日になると、モスクワ全市の食糧品販売店では、火酒、ブドー酒、ビール、すべてアルコールの入った飲物を一斉に――売り出すのか? そうじゃない、反対だ。絶対にアルコール飲料は売らなくなる・・・ 宮本百合子 「勝利したプロレタリアのメーデー」
・・・ メーデーのデモには、各工場が自分たちの音楽団を先頭に立て、勇ましい行進曲とともにやって来る。見事な、胸のすく思いです。音楽サークルの種類は合唱、ハーモニカ、ギター、ブラスバンドなどが多い。管絃楽は少ない。ヴァイオリン、セロと云う様なご・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の音楽サークルの話」
・・・ また来て下さい、と書いてデモで停留場まで送った。 この興味ある赤軍の国際的功績を、どの作家が書いているか? 一人も書いていない。映画があるだけだ。また前線を訪問した工場からの慰問隊の、断片的な手記しかなかった。ソヴェトの作家たちは、赤・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」
・・・ 毎年盛んなメー・デーのデモが行われるが、翌日五月二日の祭りには、あらゆる興行物が無代でスッカリ勤労大衆のために解放されるのだ。 そして丈夫に 医業国営=誰でも無料で診察をうけ、入院出来るようにというのがソ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の解放された生活」
・・・「例えば恋愛をかく。デモの帰りに彼女とお茶をのんだりすることもあるわけだ。するとデモは書かないで、喫茶店のことばかり書く、そういう日常性の浅薄さ、日常性のブルジョア的解釈へ書く方も、批評する方も、ひきずられていることがよくない」と力説してい・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・十一時に終業すると、文選場で一同勢ぞろいをして、カントクのところへ残りの仕事をひっつかんでデモで押しかけた。これでかって、十八人になり、二人の文選長も入った。 次に夜業四割引反対の闘争のために、全員をまき込むことを考え、親睦会の自治化を・・・ 宮本百合子 「大衆闘争についてのノート」
・・・を闘いとろう、警察へデモをやろう、と代表を選んで提議して来たほどです。 婦人大衆の支持はこんなにまである「働く婦人の夕べ」を、官憲は何故めちゃめちゃに弾圧するのでしょう? その理由は、われわれにとって面白くためになる『働く婦人』が毎号発・・・ 宮本百合子 「日本プロレタリア文化連盟『働く婦人』を守れ!」
出典:青空文庫