とて‐も【^×迚も】

の解説

［副］《「とてもかくても」の略》

1. １ （あとに打消しの表現を伴って用いる）どのようにしても実現しない気持ちを表す。どうしても。とうてい。「—食べられない量」「—無理な相談」

1. ２ 程度のはなはだしいさま。非常に。たいへん。とっても。「空が—きれいだ」

1. ３ 結局は否定的な結果になるという投げやりな気持ちを表す。どうせ。しょせん。

   1. 「—お留守だろうと思ったんですけどね」〈里見弴・多情仏心〉

   2. 「—、地獄は一定すみかぞかし」〈歎異抄〉

1. ４ よりよい内容を望む気持ちを表す。どうせ…なら。

   1. 「—我をあはれみ給ふ上は」〈仮・伊曽保・上〉

[補説]「迚」は国字。

類語

• 到底(とうてい)

とて‐も

の解説

［連語］

《格助詞「とて」＋係助詞「も」》「とて」を強調する。

1. １ …と言っても。

   1. 「げにこそ、心細き夕べに侍れ—、泣き給ひぬ」〈源・葵〉

1. ２ …という際にも。…にも。

   1. 「朝 (あした) に起きさせ給ふ—、明くるも知らで」〈源・桐壺〉

《係助詞「とて」＋係助詞「も」》…も。…でも。

1. 1. 「これが他人の妻であったら彼—美しいと感ずるであろう」〈谷崎・蓼喰ふ虫〉

   2. 「けふ—何の用あるまじ」〈浮・胸算用・五〉

《接続助詞「とて」＋係助詞「も」》…としても。…ても。

1. 1. 「土に食ひ付き死ぬる—、こんな事はせぬものぢゃ」〈浄・曽根崎〉

類語

• たいへん(たいへん)
• 非常に(ひじょうに)
• はなはだ(はなはだ)
• 大いに(おおいに)
• きわめて(きわめて)
• すこぶる(すこぶる)
• ごく(ごく)

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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