なみだ」の音変化。

「熱い—は思わず知らず流れ落ちて」〈藤村破戒

[助動][なんだら|なんで(なんだり)|なんだ|なんだ(なんだる)|なんだれ|○]動詞型活用語の未然形に付く。過去の打消しの意を表す。なかった。
  • 「売薬の外は誰にも逢わなんだことは」〈鏡花高野聖
実否ヲ未ダ決シサセラレナンダレバ」〈天草本伊曽保・イソポが生涯
「物しったり物しらなんだり、物しり物しらずさ」〈滑・浮世床・初〉
[補説]語源未詳。打消しの助動詞「ぬ」に「あった」の付いた「ぬあった」の音変化とみる説や、打消しの「なん」に過去の「た」が付いた助動詞からとする説など、諸説がある。室町時代から江戸後期まで用いられたが、江戸末期からは「なかった」がそれに代わった。現在では、主に関西方言に行われる。
連語なのだ連語
連語《「だ」は断定の助動詞》
  1. 疑問を表す。「あの音は—」「それが—というんだ」

  1. 直接言うのがはばかられたり、適当な言い方が見つからなかったりする場合に、代わりに用いる語。「自分で言うのも—が、僕ならできる」「つまりは、—、もうやめたいということか」

  1. 感動詞的に用いて、意外なことにあきれたり、がっかりしたりする気持ちを表す。「—まだ終わらないのか」「—君か」

  1. 話題にする事柄がたいしたことではないという意を表す。「地位が—、金が—」「—、こんな傷ぐらいで大騒ぎするな」

出典:青空文庫

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