1 五十音図ナ行の第1音。歯茎鼻音の有声子音[n]と母音[a]とから成る音節。[na]
2 平仮名「な」は「奈」の草体から。片仮名「ナ」は「奈」の初2画から。
ななつ。なな。しち。物の数を声に出して数えるときに用い、「なあ」となることが多い。「いつ、む、―、や」
1 ある事物を他の事物と区別するために、それに対応するものとして与える、言語による記号。名前。
㋐一般に、その事物の呼び方。「人と―の付く生き物」「花の―」
㋑ただ一つしか存在しないものとしての、その事物の固有の呼び方。「富士という―の山」「―もない島」
㋒その人の、固有の呼び方。氏名。姓名。また、姓に対して、家の中でその人を区別する呼び方。「初対面で―を名乗る」「子に―を付ける」
㋓その集団・組織などの呼び方。「学校の―」
2 集団・組織などを代表するものとして、表向きに示される呼び方。名義。「会社の―で登記する」
3
㋐評判。うわさ。「好き者の―が広がる」
㋑名声。名誉。「世に―の聞こえた人物」「家の―を傷つける」
㋒守るべき分際。名分。→名を正す
4
㋐うわべの形式。体裁。「会社とは―ばかりの個人経営」
㋑表向きの理由。名目。「福祉事業の―で営利をむさぼる」
《「名」と同語源》文字。「真―」「仮―」
鳥獣の肉や魚介・野菜など、酒・飯に添える副食物の総称。おかず。
「後妻 (うはなり) が―乞はさば柃 (いちさかき) 実の多けくを」〈記・中・歌謡〉
疫鬼を追い払う行事。追儺 (ついな) 。鬼遣らい。
「晦日 (つごもり) の日になりて、―といふもの試みるを」〈かげろふ・上〉
1 動詞・動詞型助動詞の終止形、ラ変型活用語の連体形に付く。禁止の意を表す。「油断する―」「まだ帰る―」
「かの尼君などの聞かむに、おどろおどろしく言ふ―」〈源・夕顔〉
2 《補助動詞「なさる」の命令形「なさい」の省略形》動詞・動詞型助動詞の連用形に付く。命令の意を表す。「早く行き―」「好きなようにやり―」
3 活用語の終止形、助詞に付く。
4 《上代語》動詞・動詞型助動詞の未然形に付く。
1 《上代語》名詞に付く。連体修飾格を示す。の。
「ま―かひに、もとなかかりて」〈万・八〇二〉
2 《格助詞「に」の音変化。上代東国方言》時間・場所を表す。に。
「草陰の安努 (あの) (=地名)―行かむと墾 (は) りし道安努は行かずて荒草立ちぬ」〈万・三四四七〉
「また生滅々已 (しゃうめつめつい) の心北門―建長寺」〈虎明狂・鐘の音〉
⇒なん
⇒のう