《形容詞「ぬくい」の語幹から》人をののしっていう語。まぬけ。のろま。

「そこな—め」〈浄・鑓の権三

[動カ五(四)]
  1. 中にはいっているもの、はまっているもの、刺さっているものを引っ張って取る。「刀を—・く」「歯を—・く」「とげを—・く」

  1. 中に満ちていたり含まれていたりするものを外へ出す。「浮き袋の空気を—・く」「プールの水を—・く」「力を—・いて楽にする」

  1. 中にはいっている金品をこっそり盗み取る。「車中財布を—・かれた」「積み荷を—・かれる」

  1. 多くのものの中から必要なものを選び取る。全体から一部分を取り出す。「書棚から読みたい本を—・く」「秀歌を—・いて詞華集を編む」

  1. 今まであったもの、付いていたものを除き去る。不要のものとして取り除く。「染みを—・く」「籍を—・く」「不良品を—・く」「さびを—・いたにぎりずし」

  1. 手順などを省く。また、それなしで済ませる。省略する。「仕事の手を—・く」「朝食を—・く」

  1. 前にいる者や上位の者に追いつき、さらにその先に出たり、その上位になったりする。「先頭走者一気に—・く」「すでに師匠の芸を—・いている」

  1. 新聞報道やテレビ報道などで、他社に先駆けて特ダネを報道する。すっぱ抜く。「スクープを—・く」「他紙に—・かれる」

  1. 力などが他よりすぐれている。基準よりも上である。「実力が群を—・いている」

  1. 10 (「貫く」とも書く)突き通して向こう側へ出るようにする。一方から他方へ通じさせる。つらぬく。「山を—・いてトンネルをつくる」「一、二塁間を—・くヒット」

  1. 11 型にはめて、ある形として取り出す。また、ある部分だけ残して他の部分を染める。「ハート形に—・く」「紫紺の地に白く—・いた紋」

  1. 12 攻め落とす。「城を—・く」「堅塁を—・く」

  1. 13 和服の着方で、抜き衣紋にする。「襟を—・く」

  1. 14 囲碁で、相手の死んだ石を取る。

  1. 15動詞の連用形に付いて)そのことを最後までする。しとおす。また、すっかり…する。しきる。「難工事をやり—・く」「がんばり—・く」「ほとほと困り—・く」

[可能]ぬける
[動カ下二]ぬける」の文語形。
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