万里の一条鉄
《万里の間も一筋の鉄で貫通する意から》俗人が発心して仏道に入るときに求められる堅固な菩提心 (ぼだいしん) のたとえ。転じて、物事が絶えることなく続くことのたとえ。
ばんりどうふう【万里同風】
《「漢書」終軍伝から》天下がよく統一されていてはるか遠くの地まで風俗が同じであること。
ばんりのちょうじょう【万里の長城】
中国本土の北辺に築かれた長大な城壁。春秋時代に斉 (せい) ・燕 (えん) ・趙 (ちょう) ・魏 (ぎ) などの諸国が国境に築いたもので、秦の始皇帝が匈奴 (きょうど) の侵入を防ぐために燕・趙の長城を用いて万里の長城とした。南北朝時代から位置を南に移し、現存のものはモンゴルの侵入に備えて明代に築かれたもの。河北省の山海関から甘粛省の嘉峪 (かよく) 関に至り、全長約2400キロメートル。高さ約6〜9メートル、幅約4.5メートル。1987年、世界遺産(文化遺産)に登録された。長城。 [補説]中国政府は2009年、重複して建てられたり分岐したりした部分、また天然の地形を利用した部分を含めると、明代の長城の総延長は8851.8キロメートルであると発表。2012年には秦・漢時代のものも含め2万1196.18キロメートルと発表した。
出典:青空文庫
・・・をかぶらぬ男が一人、万里の長城を見るのに名高い八達嶺下の鉄道線路・・・ 芥川竜之介「馬の脚」
・・・獄と極楽との間は、何万里となくございますから、いくら焦って見た所・・・ 芥川竜之介「蜘蛛の糸」
・・・も海とは云うものの、万里の大洋を知ったのではない。ただ大森の海岸・・・ 芥川竜之介「少年」