・・・提供すべき生産力と、提供した生産力に対して受けるものの比例は、理想からいえば、出来るだけ均等なものにしようとしている。 例えば家庭というものは女にどうしても用が多い。洗濯をする、炊事、育児、そういうものをソヴェトでは出来るだけ社会的にし・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・郷元帥の孫としてのつまらない生活の反対物をカフェーに見出したところに、子供のうちから消費生活にだけ馴らされた娘の気分と、今日の貴族階級が生活感情の実質においては、赤化子弟に対する宗秩寮の硬化的態度に逆比例するデカダンスや低俗なエロティシズム・・・ 宮本百合子 「花のたより」
・・・ 生活の安全、幸福と云うものは、只、金でだけ保障されると思って媒妁人は、心から彼女の為を計って、却って、富の程度に比例した非人間に、彼女を紹介する誤を犯して仕舞ったのです。 過般、私が遭った時、彼女は、噂に聞いて陰ながら悦んでいた二・・・ 宮本百合子 「ひしがれた女性と語る」
・・・ 生活費の点でもソヴェトでは例えば家賃、教育費、ある場合食費、電話料、電燈料、水道料等も各個人の収入との比例によって定まる。 画かきや作家等は一ヵ月の収入が不定だから、毎月の収入を届け出て、それに依って毎月家賃でも凡ての生活費の支弁・・・ 宮本百合子 「露西亜の実生活」
出典:青空文庫